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脱臭装置の冬季凍結対策とは?

「冬場になると薬液スクラバーの循環ポンプが突然止まった」「ドレン配管が凍結して装置内に水が溜まってしまった」——屋外や屋上に脱臭装置を設置している現場では、こうした冬季特有の凍結トラブルに悩まされることがあります。

脱臭装置の性能低下というと夏場の高温多湿が注目されがちですが、水を使用する脱臭方式では、冬季の低温による凍結も見逃せないリスクです。
本記事では、凍結リスクが高い脱臭方式と起こりやすいトラブル、そしてその対策について解説します。

脱臭装置に冬季凍結対策が
必要な理由

脱臭装置の中には、臭気成分を処理する過程で水や薬液を循環させる方式があります。これらの方式では、配管内やノズル周辺に水分が存在するため、外気温が0℃を下回る環境では凍結のリスクが生じます。

配管やポンプが凍結すると、装置の運転停止だけでなく、配管の破損や部品交換といった修理対応が必要になることもあります。屋外・屋上設置が多い業務用脱臭装置では、設計段階から凍結対策を織り込んでおくことが重要です。

なお、高温多湿による性能低下については、以下の記事で解説しています。本記事はその対になる「低温側」のリスクを扱います。

凍結リスクが高い脱臭方式・
低い脱臭方式

凍結リスクの大きさは、脱臭方式が水を使用するかどうかによって大きく異なります。導入している(または検討している)方式がどちらに該当するか確認しておきましょう。

脱臭方式 水の使用 凍結リスク 特徴
薬液スクラバー(湿式) あり(循環水・薬液) 高い 循環配管・ノズル・ポンプなど水が通る箇所が多く、屋外設置時は凍結対策が必須
バイオフィルター あり(散水による湿潤管理) 高い 担体の湿潤維持に散水を行うため、配管凍結に加えて低温による微生物反応の低下にも注意が必要
活性炭吸着法(乾式) 基本的になし 低い 水を使用しないため配管凍結のリスクは低いが、結露水が発生する場合はドレン対策が必要
燃焼式脱臭 基本的になし 低い 高温での燃焼処理のため凍結リスクは低い

乾式方式でも、排気の結露により発生するドレン水の配管が屋外にある場合は凍結対策が必要になることがあります。ドレン設計の基本については、以下の記事も参考にしてください。

凍結が起こりやすい箇所と
トラブル事例

循環配管・ノズルの凍結

薬液スクラバーでは、洗浄水や薬液を循環させるための配管・ノズルが屋外に露出していることがあります。
外気温が氷点下になると、配管内に滞留した水分が凍結し、循環ポンプへの負荷増大や配管の膨張による破損につながることがあります。特に夜間や休日など、装置の運転を停止している時間帯は水が滞留しやすく、凍結リスクが高まります。

ドレン配管の凍結

処理後のガスに含まれる水分や、散水・洗浄に使用した水は、ドレン配管を通じて排出されます。
このドレン配管が凍結すると、排水経路がふさがれて装置内に水が滞留し、内部部品の腐食や故障、最悪の場合は装置停止に至ることがあります。

冬季凍結を防ぐための対策

凍結リスクを抑えるためには、設計段階・運用段階の両方で対策を講じる必要があります。

配管保温・凍結防止ヒーター

最も基本的な対策は、配管を保温材(断熱材)で被覆し、外気の影響を受けにくくすることです。
寒冷地や氷点下が続く環境では、保温材だけでは不十分な場合があり、配管に巻き付けるタイプの電気式凍結防止ヒーターを併用することで、配管内の水温を一定以上に保ち凍結を防ぐ方法が一般的に用いられています。

運転停止時の水抜き・循環継続運転

装置を長時間停止する際は、配管内の水を抜いておく(水抜き)ことで、停止中の凍結を防ぐ運用方法があります。一方、完全に水を抜くことが難しい系統では、少量の水を循環させ続けることで凍結を防ぐ方法が取られることもあります。
どちらの方法が適しているかは装置の構造によって異なるため、メーカーや施工会社に冬季の推奨運用方法を確認しておくことが重要です。

ドレン配管の勾配・保温の確保

ドレン配管についても、結露対策として一般的に推奨される適切な勾配の確保に加え、屋外露出部分には保温を施すことで凍結による排水不良を防ぎます。

寒冷地で新設する場合の
設計上の留意点

積雪・寒冷地域に新設する場合は、導入段階から凍結対策を織り込んだ設計が求められます。

  • 配管・ドレンのルートをできるだけ屋内(または保温区画内)に通す設計にする
  • 屋外露出が避けられない箇所には、あらかじめ凍結防止ヒーター・保温材を標準仕様として組み込む
  • 水を使用する方式を検討している場合、乾式方式(活性炭吸着・燃焼式等)との凍結リスクの違いも踏まえて方式選定を行う

方式ごとの特徴や選び方については、以下の記事も参考にしてください。

まとめ:水を使う方式は
冬季の凍結対策まで含めて検討する

脱臭装置の冬季トラブルの多くは、水や薬液を循環させる方式に特有の「配管・ドレンの凍結」が原因です。導入している、あるいは導入を検討している方式が水を使用するかどうかを確認し、保温・凍結防止ヒーターの設置や、停止時の水抜きといった対策をあらかじめ講じておくことで、冬季の運転停止や故障のリスクを抑えられます。

当メディアでは、高温多湿による性能低下や各脱臭方式の特徴についても詳しく解説しています。通年を通じた安定運用の判断材料として、ぜひ参考にしてください。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3選

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
厨房・食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

対応できる臭い

調理油/魚類/肉類/揚げ物/煮炊き排気/生ゴミ/カビ/硫化水素/スチレン/硫化メチル

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

対応できる臭い

香料/樹脂/フェノール/キシレン/酢酸ブチル/コーティング機排気/酢酸エチル/シアン化水素/アンモニア/1,2,4-トリメチルベンゼン

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業・堆肥なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

対応できる臭い

高濃度アンモニア/硫化水素/硫黄系臭気

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選