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脱臭効率の算出方法とは?

脱臭装置を導入したものの、「本当に効果が出ているのか」を数値で説明できずに困るケースは少なくありません。

近隣住民への説明や行政への報告、社内のISO環境マネジメントの証跡として、感覚的な「においが減った気がする」ではなく、客観的な数値による効果検証が求められる場面は多くあります。
本記事では、脱臭効率(除去率)の算出方法と、導入後も継続的に効果を検証する運用の考え方を解説します。

脱臭効率とは何か

脱臭効率とは、脱臭装置に入る前の排気(入口側)と、処理を終えた後の排気(出口側)とを比較し、臭気成分がどれだけ除去・低減されたかを表す指標です。

脱臭装置のカタログスペックには「除去率90%」のような数値が記載されていることが多いですが、これは特定の条件下でのメーカー試験値であり、実際の現場での運用状況を反映した数値ではありません。自社の排気条件における実測データに基づいて算出することで、初めて実態に即した効果検証ができます。

脱臭効率(除去率)の計算式

脱臭効率 η(%)は、入口側の臭気濃度と出口側の臭気濃度の差から、以下の計算式で算出します。

【脱臭効率の基本計算式】
η(%)=(Cin − Cout)÷ Cin × 100

ここで、Cinは脱臭装置入口側の臭気濃度、Coutは出口側の臭気濃度を表します。
たとえば入口側の臭気濃度が1,000、出口側が50であれば、η=(1,000−50)÷1,000×100=95%となります。

この計算式自体はシンプルですが、CinとCoutの値をどのように測定・取得するかが実務上の要点です。測定には、悪臭防止法でも採用されている三点比較式臭袋法による臭気濃度・臭気指数の算出や、特定悪臭物質ごとの機器分析法が用いられます。測定の具体的な手順や、デモテスト時の注意点については以下の記事で詳しく解説しています。

総量で評価する
「臭気排出強度(OER)」

脱臭効率(除去率)は「濃度がどれだけ薄まったか」を示す指標ですが、実際に周辺環境へ与える影響の大きさは、濃度だけでなく排出される風量にも左右されます

そこで用いられるのが「臭気排出強度(OER:Odor Emission Rate)」という総量評価の指標です。臭気濃度(または臭気指数から換算した値)に排気風量を乗じることで算出し、複数の排出口がある施設で、どの排気口から優先的に対策すべきかの優先順位付けに活用されます。

脱臭効率が高くても排気風量が非常に大きい排出口は、OERで見ると周辺への影響が大きいと判断される場合があります。逆に脱臭効率がやや低くても風量が小さければ、OERは相対的に小さくなることもあります。単一の指標だけで判断せず、除去率とOERの両面から評価することが実務上重要です。

導入後に継続的な
効果検証が必要な理由

脱臭効率の算出は、導入時の一度きりの検証で終わるものではありません。運用開始後も定期的にCin・Coutのデータを取得し、効率の推移をトレンドとして記録し続けることが、安定した脱臭性能の維持と早期のトラブル発見につながります。

方式別に見る効率の経時変化パターン

脱臭方式によって、効率が時間とともにどう変化するかの傾向は異なります。

  • 燃焼式・触媒燃焼式:温度管理が適切であれば、瞬時・連続的に安定した高効率を維持しやすい方式です。
  • 物理吸着方式(活性炭・ゼオライト等):導入初期は高い効率を示しますが、ろ材が同伴物質や臭気成分を吸着し続けることで徐々に飽和(破過)に近づき、効率が漸減していく特性があります。
  • 生物脱臭(バイオフィルター):微生物の活性が気候や湿度の影響を受けるため、季節によって効率が緩やかに変動する傾向があります。

方式ごとの特性を理解した上で測定頻度を設計することで、無駄のない効果検証が可能になります。

測定頻度の目安

方式や現場の重要度に応じて、測定頻度の目安は異なります。

  • 燃焼式・触媒式:瞬時保証が求められる設備が多く、比較的少数の短時間サンプリングでも性能検証が可能です。
  • 物理吸着方式:ろ材の飽和限界(交換スケジュール)を管理するため、定期的な測定データの蓄積が欠かせません。効率の低下傾向が見え始めた時点で、交換時期の判断材料とします。
  • 生物脱臭方式:季節変動を加味し、年数回程度の長期的な測定を行うことで、瞬間値に左右されない安定した評価ができます。

効率の低下が確認された場合は、前処理フィルターの目詰まりやろ材の破過など、原因を特定した上で点検・交換の計画を立てることが重要です。

まとめ:
脱臭効率の算出は
「一度きり」ではなく「継続」が前提

脱臭効率の算出は、導入時の性能確認だけでなく、運用中を通じて継続的に実施することで初めて意味を持つプロセスです。

除去率とOERの両面からデータを蓄積し、方式ごとの経時変化の特性を踏まえた測定計画を立てることで、性能低下の予兆を早期に捉え、安定した脱臭運用と客観的な説明責任の両方を果たすことができます。

当メディアでは、脱臭装置に関する基礎知識を他にも多数掲載しています。メーカー選びの判断材料として、ぜひ参考にしてください。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

対応できる臭い

調理油/魚類/肉類/揚げ物/煮炊き排気/生ゴミ/カビ/硫化水素/スチレン/硫化メチル

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

対応できる臭い

香料/樹脂/フェノール/キシレン/酢酸ブチル/コーティング機排気/酢酸エチル/シアン化水素/アンモニア/1,2,4-トリメチルベンゼン

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

対応できる臭い

高濃度アンモニア/硫化水素/硫黄系臭気

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選