業務用脱臭装置メーカー3選│においトル » 業種別の主な臭気成分と特徴 » 飲食店で発生する臭気成分の種類と対策

飲食店で発生する臭気成分の種類と対策

目次を開く

飲食店や商業施設の厨房から発生するにおいは、近隣住民からのクレームに最も繋がりやすい排気リスクの一つです。どれだけ人気の店舗であっても、適切な対策を怠ると営業停止や地域での孤立を招きかねません。

本記事では、飲食店で発生する代表的な悪臭の原因物質と、店舗の規模や調理特性に合わせた最適な脱臭対策を分かりやすく解説します。周囲と良好な関係を保ち、安心して営業を続けるための装置選びのヒントとしてお役立てください。

飲食店の悪臭・クレームの
主な原因

飲食店が抱えるにおいの問題は、売上や店舗の評判だけでなく、近隣住民との関係を左右する死活問題です。苦情を未然に防ぎ、適切な対策を講じるためには、まず悪臭が発生する主たる原因と、それがどのように周囲へ拡散していくのかという現場特有のメカニズムを正しく知る必要があります。

調理臭・油煙臭の拡散

焼き肉や焼き鳥、中華料理などで発生する強烈な油煙や焦げ臭は、排気ダクトを通じて屋外へ排出されます。このとき、ダクトの風向や周辺のビル風の影響により、近隣のマンションや商業施設ににおいが直接届いてしまうケースが多発しています。特に油分を含んだ微粒子(オイルミスト)は遠くまで漂いやすく、壁や洗濯物に付着して長期間におい残りするため、最もクレームに繋がりやすい原因となっています。

グリストラップや生ごみからの腐敗臭

調理排気だけでなく、厨房内の衛生環境も悪臭の原因となります。特に油分や食材カスが溜まるグリストラップは、定期的な清掃を怠ると嫌気性微生物が繁殖し、強烈な腐敗臭を放ちます。また、夏場における生ごみの保管方法や、排水口の詰まりから発生する酸っぱいにおいなども、換気ファンを通じて屋外へ漏れ出し、店舗周辺の環境を悪化させる二次的な要因となります。

飲食店でよく問題になる代表的な臭気成分
(特定悪臭物質)

飲食店のにおいは単一の物質ではなく、様々な成分が混ざり合った「複合臭」です。その中でも、国の悪臭防止法で規制対象となっている「特定悪臭物質」に該当する、飲食店特有の4つの代表成分をピックアップしました。それぞれのにおいの特徴と発生源のサマリーをご紹介します。

ノルマル酪酸(むれた靴下のような臭い)

バターやチーズなどの乳製品の劣化、あるいは肉類の脂が古くなった際に発生する成分です。「むれた靴下」や「汗」に例えられる非常に不快度の高いにおいで、ごく微量でも周囲に漂うと強い不快感を与えます。厨房内のしつこい油汚れや、グリストラップに溜まった有機物のスカム(浮き汁)などが主な発生源となります。

イソ吉草酸(汗や足の裏のような臭い)

ノルマル酪酸と同様に、脂肪酸系の一種で「足の裏のニオイ」と表現される強烈な酸敗臭です。飲食店においては、排水口やグリストラップ内の有機物が腐敗・発酵するプロセスで大量に発生します。ダクトを通じて外に漏れ出すと、近隣から「酸っぱい不快なにおいがする」とクレームになりやすい物質です。

トリメチルアミン(腐った魚のような臭い)

魚介類が分解される過程で発生するアミン類の一種で、「腐った魚の生臭さ」そのもののニオイです。居酒屋や寿司店、海鮮料理を扱う飲食店では特に注意が必要な成分で、調理時の排気だけでなく、バックヤードでの生ごみ(魚のアラなど)の保管場所からも高濃度で発生し、周辺へ拡散します。

アセトアルデヒド(刺激的な青臭さ・焦げ臭)

食材を焼く、炒めるといった加熱調理の際や、コーヒーの焙煎、油の酸化に伴って発生する刺激臭です。飲食店特有の「焦げ臭」や「油煙のにおい」の主成分であり、人間の嗅覚を強く刺激するため、住宅地が近い店舗では最も迅速な除去対策が必要となる、近隣クレームの常連成分です。

飲食店の臭気成分に合わせた
脱臭装置の選び方

飲食店の悪臭を根本から解決するには、特有の複合臭と油煙(オイルミスト)に耐えうる装置の選定が必須です。目先の初期費用を抑えつつ、近隣クレームを確実に解消するための脱臭方式の重要ポイントと、店舗運営において大きなメリットとなる設置スタイルについて解説します。

中和消臭や活性炭など、成分に合った方式を選ぶ

飲食店の調理排気には、ニオイ成分を別の無臭物質へと化学変化させる「中和消臭方式」が非常に有効です。特に植物精油を用いた中和消臭は、安全性が高く、焦げ臭や油煙臭を瞬時に低減できます。

また、排気風量が比較的安定している現場では、多様なニオイをまとめて吸着する「活性炭吸着方式」も有力な選択肢となります。現場の臭質に合わせた組み合わせが重要です。

ダクト設置型や後付け可能な装置のメリット

すでに営業している店舗や、限られた厨房スペースに対策を講じる場合、既存の排気ダクト内に消臭剤を挿入する「ダクト設置型」や「後付け可能」な装置がよいでしょう。

これらは大掛かりな建屋改修やファン能力の変更を伴わないため、工場の稼働を止めることなく短期間で導入でき、イニシャルコストを大幅に抑えられます。

飲食店の
脱臭装置導入事例

導入事例①:複合施設内スーパーの惣菜調理臭・油煙対策

上層階にホテルを併設する複合施設の1階に出店したスーパーマーケットの事例です。新築マンションも多い商業地域において、近隣住民への配慮と厨房の省スペース化を同時に実現したノウハウをご紹介します。

【課題・選定理由】複合施設での排気配慮とコンパクトさ

惣菜コーナーのフライヤーから発生する揚げ物臭が、上層階のホテルや近隣のマンションへ拡散するリスクを未然に防ぐことが最大の課題でした。

装置の選定にあたっては、同系列スーパーでの導入実績による安心感に加え、限られた厨房の壁面にすっきりと収まるコンパクトさ(壁掛け型)が決め手となり、中和消臭器「DMD-02TⅡ」の導入が決定しました。

【対策・導入効果】油煙を防ぐ配管工夫と苦情ゼロの実績

排気に含まれる大量の油分が消臭効果を下げないよう、フード下のグリスフィルターを通過した後に消臭剤を挿入する配管設計を施しました。調理臭と相性の良い消臭剤「マイルドブレンド」を効率よく反応させる工夫です。

導入後は、懸念されていたホテルや住民からの苦情は一切発生せず、非常に良好な運転を継続しています。この確実な実績が評価され、その後さらに別の新店舗でも同システムが連続採用されています。

※参照元:日本デオドール公式HP(https://deodor.co.jp/dmd-exa01.htm

導入事例②:一般住宅が隣接する唐揚げ専門店の排気臭対策

店舗のすぐ裏に建物の貸主様の自宅があるという、極めて近距離での住宅密集地に出店した唐揚げ専門店の事例です。絶対に苦情を起こせない環境において、確実な脱臭効果とコスト最適化を両立させたノウハウをご紹介します。

【課題・選定理由】貸主の自宅がすぐ裏にある環境と、天吊り可能な設計

一般家庭との距離が近く、出店にあたって近隣苦情を未然に防ぐための最大級の排気対策が求められていました。

装置の選定では、店舗の外観を損ねずに天井裏へ隠して設置できる「天吊り」が可能な点、そして状況に合わせてフィルターの数を増減させてコストを最適化できる汎用性の高さから、カルモアの「ゼオガイア脱臭装置」が選ばれました。

【対策・導入効果】最大5層の多層フィルター設置で、苦情を未然に防止

今回は絶対に負けられない苦情対策として、最大装填数となる「5層ユニット(ZG-7800)」を導入。気流方向にフィルターを重ねることで、初期値最大98%の高い脱臭効率を発揮させる設計を施しました。

この徹底した対策により、敷地外へのにおい漏れを抑え、貸主様もテナントオーナー様も双方が安心して営業できる環境を構築することに成功しています。

※参照元:カルモア公式HP(https://www.karumoa.co.jp/column/research/column-12616/

導入事例③:ビルに囲まれた中華料理店の排気臭・苦情対策

都内の雑居ビル1階にある中華料理店で、近隣から寄せられたにおい苦情を解決した事例です。周辺がビルに囲まれており、大掛かりなダクト工事ができない制限のなかで導入された省スペース対策をご紹介します。

【課題・選定理由】延長工事が不可能な密集地と、電子レンジサイズの手軽さ

店舗の両隣にビルが迫っていたため、臭気対策の基本である「排気ダクトを上空へ伸ばす延長工事」が物理的に不可能な状況でした。

さらに、既に営業中の店舗ということもあり、天井裏のダクト周辺には大きな装置を置く余裕がありませんでした。そこで、電子レンジほどの大きさで狭いスペースにも後付けできるコンパクトさが決め手となり、デオドールの中和消臭器が選定されました。

【対策・導入効果】天井裏へのコンパクト設置で、即効性のある高い消臭効果を実現

中和消臭器「DMD-02ATⅡ」を1台導入し、天井裏の排気ダクト内へ専用の消臭剤「ウッディー・マイルド」を挿入する対策を行いました。大掛かりな設備改修は一切行っていません。

導入後はお客様から「消臭効果が高く、効果もすぐに確認できた」との評価をいただき、ダクト工事ができない密集地における、迅速かつ確実な苦情解決の好例となりました。

※参照元:日本デオドール公式HP(https://deodor.co.jp/2013/09/041456.html

まとめ

飲食店が地域で長く愛され、安定した店舗運営を続けるためには、調理排気や腐敗臭による近隣トラブルの回避が欠かせません。自店のメニューや設備から発生している臭気成分の特性を正しく見極め、周囲の環境に適した「失敗しない脱臭装置選び」を今日から一歩進めてみましょう。

当メディアでは、飲食店の現場環境や予算に合わせた最適な脱臭装置の選定ガイドをご用意しています。「近隣から指摘を受けて困っている」「自店に合う方式がわからない」という方は、まずは実績豊富なおすすめの脱臭装置をチェックし、確実なクリーン環境の実現に役立ててください。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選