給食センターやスーパーのバックヤードなど、食品調理・流通施設における調理臭や排水臭は、近隣トラブルの火種となりがちです。
本記事では、限られたスペースでも導入可能な脱臭装置の事例や、施設ごとの臭気特徴に合わせた効果的な対策方法を解説します。
| 設置場所 | 排気ダクト側面(直付け) |
|---|---|
| 臭気対象 | 餃子の餡製造工程で発生するにおい |
| 脱臭方法 | 中和脱臭(DC-6SⅡ) |
1日あたり数十万個の餃子を製造する食品工場の事例です。周辺には住宅も点在しており、近隣への配慮として脱臭対策が求められていました。
すでに排気ダクトを屋上へ延長していましたが、ニンニクや調味料が混ざった特有の生臭さは解消されず。
さらなる対策が必要でしたが、工場内には大型機器を設置するスペースがないという課題もありました。
日本デオドールの中和脱臭装置「DC-6SⅡ」を導入しました。排気ダクトの側面に直付けできるため場所を取らず、排気ファンの負圧を利用するため動力不要でランニングコストも抑えられる点が決め手です。
導入後は、植物精油の働きにより、ニンニクや肉の生臭さが大幅に低減され、すっきりとした印象の空気に改善されました。
テスト導入で効果を実感してからの本採用となり、メンテナンスの手軽さも評価されています。
| 設置場所 | スーパーマーケット (惣菜・鮮魚コーナーバックヤード) |
|---|---|
| 臭気対象 | 惣菜・鮮魚の加工に伴う臭気 |
| 脱臭方法 | オゾン水による洗浄(脱臭は清掃・衛生管理における副次的効果) |
スーパーマーケットのバックヤードにおける事例です。惣菜や鮮魚を扱う現場では、食材の加工処理に伴い、生臭さや雑菌の繁殖は避けられません。
お客様に安全な食品を提供するためには、日々の清掃に加え、より確実な衛生管理体制の構築が必須です。
脱臭と除菌を同時に行える対策として、オゾンを活用したシステムの導入が検討されました。
オゾン水とオゾンガスを生成できる「エルくりんDX」を導入しました。UV式濃度計を標準装備しており、安定した濃度管理が可能なモデルです。
導入後は、オゾン水を使用して洗浄を行うことで、惣菜コーナーや鮮魚コーナーのバックヤードから臭気が消失しました。
衛生面での不安が解消されただけでなく、スタッフにとっても快適な職場環境が実現できています。
| 設置場所 | セントラルキッチンの排水処理設備 (密閉型) |
|---|---|
| 臭気対象 | 排水処理に伴う臭気 |
| 脱臭方法 | 公式HPに記載なし |
大阪府にある給食サービス企業の事例です。旧工場では排水処理に伴う水質や臭気の問題があり、近隣住民の理解を得るのに苦労していました。新工場建設の必須条件は、この課題を確実にクリアすること。
また、病院や福祉施設へ安定供給するため、災害時でも事業を継続できるBCP対策や、自社での管理運用の手間を削減できる仕組みも求められていました。
Daigasエナジーが提案するユーティリティ設備一式を導入しました。密閉型の排水処理槽と脱臭装置を組み合わせることで、懸念されていた近隣への臭気拡散を抑えています。
さらに初期投資ゼロのエネルギーサービスも活用。設備管理業務の負担軽減とBCP強化を同時に実現し、安定した工場運営が可能になりました。
調理や加工の工程で発生する、多種多様な成分が混ざり合った「複合臭」に手軽に対応できる方法です。
排気口付近に設置するだけで、調理臭から腐敗臭まで幅広く吸着します。初期費用は比較的安価ですが、油煙を吸うと目詰まりするため、揚げ物ラインなどでは前処理が必要です。
水や薬液のシャワーで汚れた空気を洗浄します。高温の調理排気や、油分・粉塵を含む排気に強く、臭気と一緒に汚れも洗い落としたい場合に効果的です。
給食センターや惣菜加工など、大量の調理を行う現場で、排気ダクトの油汚れ対策と脱臭を同時に行いたい現場に適しています。
食品流通施設の「排水処理設備」や「残渣(生ゴミ)保管庫」から発生する、硫黄系の腐敗臭(卵が腐ったような臭気)に効果を発揮します。
微生物の力で臭気を分解するため薬品代がかからず、24時間稼働させてもランニングコストを低く抑えられるのが特徴です。
大量の食材を焼成・乾燥させる工程で発生する高濃度の焦げ臭や煙を、650~800℃程度の高温で酸化分解して無臭化します。
脱臭効率は高いですが、燃料コストがかかるのが難点。近隣住居が非常に近い場合や、他の方法では消しきれない強烈な調理臭に対する最終手段として選ばれます。
食品調理・流通施設の悩みを解決する脱臭装置の選び方
重要なのは臭気に合った脱臭装置を選ぶことです。食品調理・流通施設の調理工程や扱っている食品の種類によって、発生する臭気は変わってきます。
ただし、目に見えない臭気成分を正確に特定するのは難しいため、臭気の発生場所に合った脱臭装置を選ぶのがおすすめです。
当メディアでは、臭気成分がよく分からないという方でも選びやすいよう、導入場所別におすすめの脱臭装置を厳選しました。食品工場におすすめの脱臭装置も調査していますので、現場に合った製品選びの材料としてご活用ください。
鼻を刺すようなツンとした刺激臭で、トイレのにおいに例えられます。食品施設の場合、肉や魚などのタンパク質が腐敗する過程や、排水処理の過程などで多く発生。
水に溶けやすい性質があるため、水スクラバーなどで比較的容易に対策可能です。
腐った卵のような強烈な臭気で、いわゆる「下水臭」の主成分です。排水処理施設(グリストラップ)や汚泥貯留槽、清掃が行き届いていない排水溝などで発生します。
毒性が強く、高濃度になると作業員の健康被害にもつながるため、早急な対策が必要です。
腐った玉ねぎやキャベツのような臭気です。野菜くずの腐敗や、漬物などの発酵食品加工時に発生します。
においを感じる濃度(閾値)が極めて低く、わずかな量でも「生ゴミ臭い」と広範囲に拡散し、近隣クレームの原因になりやすい物質です。
トリメチルアミンは魚が腐ったような生臭さ、アルデヒド類は揚げ物などの油の酸化臭や焦げ臭です。
これらの臭気成分がスパイスや調味料と混ざり合うことで、食品施設特有の調理臭(複合臭)となります。
短時間で数千食を調理するため、揚げ物や焼き物の高濃度な調理臭が一気に排出されます。
学校や住宅地の近くにあることが多く、給食の時間帯に毎日「油臭い」「カレー臭い」といった苦情が寄せられやすい傾向。
ピーク時の最大風量に対応できる脱臭設備を選ぶことが大切です。
コンビニや外食チェーン向けの調理を行うため、24時間稼働や多品種生産が基本となります。
時間帯によって臭気の質が変わるほか、大量の排水処理に伴う悪臭対策も欠かせません。BCP(事業継続計画)の観点から、災害時や停電時でも周辺環境を汚染しない堅牢なシステムが求められます。
精肉・鮮魚・惣菜コーナーの作業場が狭い空間に密集しているため、生魚の解体による生臭さや、揚げ物の油煙が混ざり合います。
これらの臭気が売り場へ漏れると店舗のイメージダウンや顧客満足度低下につながる恐れが。
グリストラップからの悪臭逆流も起きやすく、脱臭と同時に徹底した除菌・衛生管理が求められます。
他にも、場所(施設)ごとに脱臭装置の導入事例、発生しやすい臭気の種類、効果的な脱臭方法などをまとめています。自社が管理している施設のジャンル(または類似ジャンル)の記事をご一読ください。
導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

設置場所
排気ダクト
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 605×400× 1000~820× 570×1400(mm) |
|---|---|
| 重量(kg) | 35~92 |
消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。
15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

設置場所
乾燥炉排気・反応槽ベントライン など
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | - |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。
装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

設置場所
屋外または既存脱臭槽内
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 6~12×9 (54~108㎡) |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。
微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。