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脱臭装置の費用

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採用する方式によって初期費用とランニングコストのバランスが大きく異なります。

本記事では、主要な方式ごとの費用目安と、なぜ費用差が生まれるのかというコスト構造を解説し、導入検討の判断基準を提供。
自社の予算と用途に合う装置を選ぶためにお役立てください。

脱臭方式別の初期費用と
維持費の目安

脱臭方法 初期費用 運用費用 コストの変動要因
中和脱臭
(噴霧式・気化式)
低 高 【消臭剤(液剤)の補充】
初期費用は安いが、においが強いほど液を大量に消費するため、維持費がかかる。
オゾン脱臭 低 低 【電気代】
ダクトに繋ぐだけの簡易型は安価だが、濃度制御付きの精密なものは高くなる。
光触媒脱臭 中~高 低 【ランプ交換費】
数年に一度の紫外線ランプ交換が必要だが、日常のコストは電気代のみ。
プラズマ脱臭 中 中 【電気代+清掃費】
電極洗浄の手間、または集塵フィルターの交換費がかかります。
活性炭脱臭 高 高 【活性炭の交換頻度】
飽和したら全交換が必要。においが強い現場では交換サイクルが早く、コストがかさむ。
スクラバー脱臭
(水洗浄・薬液洗浄)
中~高 中~高 【薬剤と排水処理】
水洗浄:水道代・排水処理費
薬液洗浄:薬品代+中和処理コストがかかる
バイオフィルター脱臭 高 低 【散水・ファン電気代】
微生物を住まわせる巨大な槽を作るため、初期工事費は高いが、維持費はほぼ水と電気のみ。
燃焼式脱臭 高 中~高 【燃料費の差】
直接燃焼式:初期費用「低」、燃料費「特大」
蓄熱燃焼式:初期費用「特大」、燃料費「小」
※長く使うなら蓄熱燃焼式が有利。

※上記はあくまでも初期費用・運用費用の一般的な傾向(目安)です。実際の価格は製品や導入環境の条件によって変わってきます。

代表的な脱臭方式の費用相場
(初期・維持費の比較表)

脱臭装置の費用は、採用する方式だけでなく、処理風量(排気量)や臭気濃度、排気温度、求める脱臭効率によって大きく変わります。

特に処理風量が増えると、脱臭装置本体だけでなく、ファンやダクト、ポンプなどの付帯設備も大型化するため、初期費用・維持費ともに上昇する傾向があります。ここでは50~100㎥/min程度の処理風量を想定し、代表的な4方式の予算感を比較します。

方式別コスト比較表

方式名 初期費用の目安 ランニングコストの目安 主な維持費の内訳 コストバランス
活性炭吸着法 300万~1,000万円程度 年間60万~200万円程度
(月5万~17万円程度)
ファンの電気代、活性炭交換費、交換作業費、使用済み活性炭の処分費 初期:低~中
維持:中~高
薬液スクラバー 500万~1,500万円程度 年間50万~200万円程度
(月4万~17万円程度)
ファン・ポンプの電気代、水道代、薬液費、排水処理費、充填材のメンテナンス費 初期:中
維持:中
バイオフィルター 800万~2,000万円程度 年間20万~80万円程度
(月2万~7万円程度)
ファンの電気代、散水費、担体・微生物の維持管理費 初期:高
維持:低
燃焼法
(触媒燃焼等)
1,500万~4,000万円程度 年間150万~500万円程度
(月13万~42万円程度)
燃料費・電気代、ファンの電気代、触媒交換・点検費 初期:高
維持:中~高

※上記金額は50~100㎥/min程度を想定した予算取り用のモデルケースです。公開されている装置価格は処理条件や設備規模が統一されていないため、実際の見積額とは異なる場合があります。また、本体以外のダクト工事・基礎工事・電気工事などによって総額が大きく変動します。

このように、活性炭吸着法は比較的初期費用を抑えやすい一方、臭気濃度が高く活性炭の交換サイクルが短い現場では維持費が膨らみやすくなります。反対にバイオフィルターは、設備や設置スペースへの初期投資が必要になるものの、主な運用費が送風や散水となるため、長期間の運用では維持費を抑えられる可能性があります。

燃焼法も、直接燃焼式・触媒燃焼式・蓄熱燃焼式によって燃料消費量や設備価格が異なります。「どの方式が最も安いか」ではなく、自社の処理風量と想定稼働年数をそろえた条件で比較することが重要です。

初期費用の安さが
総コストの安さに直結するとは
限らない

例えば活性炭脱臭は初期導入費を抑えやすい一方、臭気が強い現場では交換頻度が増え、維持費が高額になる傾向があります。

燃焼式脱臭は初期投資がかさみますが、熱回収効率次第ではランニングコストを低減できる場合も。
導入時は消耗品や電気代を含めたライフサイクルコストでの試算が不可欠です。

費用対効果を実感するには、現場の環境にマッチした装置を選ぶことです。場所に適さない方式は、維持費が無駄に膨らむ原因になります。

まずは自社の設置場所(工場・厨房・排水処理など)を選び、適切な方式と相場感を把握するために、以下の記事をぜひご覧ください。

5~10年稼働時のトータルコスト
(ライフサイクルコスト)
逆転シミュレーション

初期費用が安い装置が、長期間使用しても最も安いとは限りません。消耗品の交換や電気・水道・燃料などに継続的な費用がかかるため、導入後5年、10年まで含めたライフサイクルコスト(LCC)で比較することが重要です。

例えば、「初期費用は抑えやすいものの定期的な吸着材交換が必要な活性炭吸着法」と、「初期投資は高いものの日常的な維持費を抑えやすいバイオフィルター」を比較してみます。

【例】活性炭吸着法と
バイオフィルターのコスト比較

ここではあくまでシミュレーションとして、活性炭吸着法は初期費用300万円・年間維持費150万円、バイオフィルターは初期費用800万円・年間維持費30万円として試算します。

稼働期間 活性炭吸着法 バイオフィルター
導入時 300万円 800万円
1年後 450万円 830万円
3年後 750万円 890万円
4年後 900万円 920万円
5年後 1,050万円 950万円
10年後 1,800万円 1,100万円

※活性炭吸着法は初期費用300万円+年間維持費150万円、バイオフィルターは初期費用800万円+年間維持費30万円として単純計算したシミュレーションです。実際の費用を示すものではありません。

この条件では、4年経過時点では活性炭吸着法の累計900万円に対し、バイオフィルターは920万円ですが、5年経過時点では活性炭吸着法が1,050万円、バイオフィルターが950万円となります。計算上は約4.2年を境にトータルコストが逆転する結果です。

さらに10年間使用すると、その差は約700万円まで広がります。ただし、実際には活性炭の交換周期や臭気負荷、バイオフィルターの担体管理費などによって結果は変わります。

装置を比較する際は本体価格だけを見るのではなく、「何年間使用する予定なのか」「消耗品を何回交換するのか」「年間の電気・水道・燃料費はいくらか」まで含めてLCCを試算することが、適切な設備投資につながります。

脱臭装置の初期費用に差が出る主な要因

装置構造の複雑さと求められる処理能力です。具体例として「燃焼系(直接燃焼式・蓄熱燃焼式・触媒燃焼式)」を挙げます。

燃焼系は臭気を約650~800℃前後の高温で酸化分解するため※1、堅牢な耐熱構造や断熱材、厳重な安全装置が必須です。
設置には基礎工事や燃料ラインの敷設など付帯工事も大掛かりとなります。

結果として、初期費用は他の方式に比べて高額になる傾向です。対して活性炭脱臭は、ファンと吸着塔という比較的単純な構造であるため、初期投資は安価に抑えられます。

※1参照元:愛知県公式HP【PDF】(https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/13638.pdf)

費用を考える際の注意点

運用期間が長くなるほど、経営に大きく影響するランニングコストの注意点を解説しています。

薬剤費用

スクラバー脱臭(薬液洗浄法)では、初期費用以上に日々の運用費へ注意が必要です。稼働中は常に薬液の補給、水の使用、排水処理費用が継続的に発生します。

排気中の臭気濃度が高くなればなるほど、薬剤の消費量は増加し、比例してランニングコストも膨らむ傾向にあります。

電気代

オゾン脱臭法などは薬剤を使わない分、コスト計算はシンプルです。しかし稼働時間に比例して電気代が積み上がります。

特に24時間稼働が求められる現場では、わずかな省エネ性能の差であっても、年間を通算すると大きな金額差となるでしょう。

メンテナンス

活性炭脱臭法において支配的なコストとなるのがメンテナンス費です。吸着剤はあくまで消耗品であり、吸着能力が飽和すれば交換しなければなりません。

臭気が強い現場では短期間で飽和するため交換頻度が高くなり、部材費に加え、作業費や産廃処分費がコストを押し上げるリスクがあります。

助成金活用の検討

費用を抑える手段として、助成金・補助金の活用も視野に入れましょう。脱臭装置の導入は「環境対策」「省エネ対策」「公害防止」といった名目で、国や自治体の補助金対象になる場合があります。

例えば「ものづくり補助金」※2や省エネ関連の補助金です。採択されれば初期費用の負担を大きく減らせる可能性があるため、導入検討の段階でメーカーや自治体の窓口へ相談することをお勧めします。

※2参照元:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「ものづくり補助金総合サイト」 (https://portal.monodukuri-hojo.jp/)

まとめ:
トータルコスト視点で
適切な脱臭装置選びを

脱臭装置の選定において、初期費用の比較だけでは不十分です。
各方式のコスト構造を理解し、薬剤費やメンテナンス費といったランニングコストを含めた総費用で比較検討することが重要なので、自社の現場状況に合わせ、長期的な視点で適切な投資判断を行ってください。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3選

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
厨房・食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

対応できる臭い

調理油/魚類/肉類/揚げ物/煮炊き排気/生ゴミ/カビ/硫化水素/スチレン/硫化メチル

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

対応できる臭い

香料/樹脂/フェノール/キシレン/酢酸ブチル/コーティング機排気/酢酸エチル/シアン化水素/アンモニア/1,2,4-トリメチルベンゼン

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業・堆肥なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

対応できる臭い

高濃度アンモニア/硫化水素/硫黄系臭気

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選