飼料工場のドライヤー排気や原料保管庫から漂う強烈な臭気は、粉塵対策も必要となるため一筋縄ではいきません。
本記事では、魚粉やペットフード製造の臭気問題を解決した導入事例や、飼料工場に効果的な脱臭方法などを解説します。

| 設置場所 | 粉砕工場の排気設備 |
|---|---|
| 臭気対象 | 酵母を粉砕する時に発生する 飼料のような臭気 |
| 脱臭方法 | 活性炭脱臭(ヨウ素炭フィルター) |
ガラスや食品など多種多様な原料を細かく砕く「粉砕専門会社」の事例です。酵母を粉砕する工程で、ドライイーストを強く発酵させたような独特の飼料臭が発生していました。
工場周辺には住宅地があるため、担当者は近隣住民への影響を懸念。苦情が出る前に排気臭を低減させる方法を探していたのです。
日本デオドールの吸着式脱臭装置を導入しました。採用の決め手は、事前に小型装置で行った脱臭テストにおいて、臭気濃度比で約90%減という高い効果を確認できたことです。
対象臭気に合わせて選定したヨウ素炭を用いた吸着フィルターにより、近隣住宅への配慮が必要だった酵母の粉砕臭を効果的に除去することに成功しました。
| 設置場所 | ペットフード製造工場(乾燥工程) |
|---|---|
| 臭気対象 | 動物性原料の加熱・乾燥工程で 発生する排気臭 |
| 脱臭方法 | プラズマ脱臭 (デモテストにて実証) |
ペットフードを製造する工場の事例です。動物性原料の乾燥工程で発生する強烈なにおいにより、近隣から苦情が相次いでいました。
過去にスクラバー脱臭装置やスプレーなど総額約1億円もの設備投資を行いましたが、臭気の主要発生源に装置が接続されていないなどの問題が発生。
コストだけが嵩む状況を打破するため、科学的な原因究明と確実な対策手法の選定が急務となっていました。
カルモアは臭気アセスメントと拡散シミュレーションを実施し、真の発生源を特定。その上で「注入式低温プラズマ脱臭装置」のデモテストを行いました。
高温・多湿・粉塵を含む過酷な排気条件ながら、最大99.8%という高い脱臭効率を実証。
薬液や排水処理が不要な点も評価され、無駄な投資を止め、科学的根拠に基づいた解決策を導き出しました。

| 設置場所 | 水産飼料工場(生産設備) |
|---|---|
| 臭気対象 | 水産飼料製造時に発生するアミン臭 |
| 脱臭方法 | 添着炭 (アルカリ性臭気用吸着剤) |
水産飼料を製造する工場における排気脱臭の事例です。魚粉などの原料を加工する生産設備からは、特有の生臭さを含むアミン臭(臭気濃度5,000)が発生していました。
工場周辺環境への影響を考慮して、特定の臭気成分を効率よく除去できる脱臭装置の導入が求められていたのです。
エスポ化学の「ケミカルフィルタ脱臭装置」を導入しました。対象となるアミン臭に対して高い吸着性能を持つアルカリ性臭気用吸着剤を選定したことが成功の鍵です。
導入後は、濃度5,000だった臭気が濃度79(臭気指数19)まで低下。除去率は98.4%を記録し、水産飼料工場特有の臭気問題を解決しました。
乾燥工程やクーラー排気など、粉塵(ダスト)を含み高温多湿な排気に効果的です。
水や薬液のシャワーで臭気成分を洗い流すと同時に、飼料の微粉末も除去できるため、排気ダクトの詰まりを防止できます。
大量の排気を安定して処理できるため、飼料工場のメイン設備に採用されるのが一般的です。
原料受入ホッパーや製品倉庫、排水処理設備など、常温で広範囲の低濃度臭気に適しています。
微生物が時間をかけて臭気を分解するため、薬液を使う方法に比べてランニングコストが安価です。
ただし、粉塵が流入すると微生物の住処が閉塞するため、必ずサイクロンや散水塔などで前処理を行い、粉塵を除去しましょう。
高濃度かつ焦げ臭を含んだ強烈な臭気を650~800℃程度の高温下で酸化分解する方法です。飼料工場でドライヤー(乾燥機)を使って原料を加熱すると、原料に含まれる油脂分が揮発(蒸発)してVOCガス(アルデヒド類など)が発生します。
直接燃焼式なら、VOCガスを98~99%以上分解することが可能。脱臭効率の高さが強みですが、イニシャル・ランニングコストも高い傾向にあります。
飼料製造では、粉砕や乾燥工程で大量の粉塵が発生します。飼料工場の排気を脱臭装置に直接通すと、フィルターの目詰まりやスクラバー循環水の汚濁、最悪の場合は火災の原因になるので注意が必要です。
設備寿命を延ばすためにも、必ずサイクロンやバグフィルターで固形物を回収してから脱臭装置を使用しましょう。
飼料工場の悩みを解決する脱臭装置の選び方
重要なのは臭気に合った脱臭装置を選ぶことです。飼料工場で扱っている原料の種類や製造工程によって、発生する臭気は変わってきます。
ただし、目に見えない臭気成分を正確に特定するのは難しいため、臭気の発生場所に合った脱臭装置を選ぶのがおすすめです。
当メディアでは、臭気成分がよく分からないという方でも選びやすいよう、導入場所別におすすめの脱臭装置を厳選しました。食品工場におすすめの脱臭装置も調査していますので、現場に合った製品選びの材料としてご活用ください。
魚粉や肉骨粉、フェザーミールなどの原料自体が持つ、独特の生臭さや獣臭の主成分です。
特に受入時や加温時に揮発しやすく、トリメチルアミン(腐った魚のにおい)などが高濃度で発生します。
衣服や髪に付着しやすく、一度つくとなかなか取れない頑固な臭気です。
ドライヤーやエクストルーダーで穀物や動物性原料を高温加熱・乾燥させる際に発生する、香ばしさと焦げ臭さが混ざった強烈なにおいです。
メイラード反応により生成され、排気温度が高いため上昇気流に乗り、遠方まで拡散して「何かが焦げている」といった苦情の原因になります。
原料の保管中や発酵工程、または排水処理施設で発生する酸っぱい腐敗臭です。イソ吉草酸(足の裏のにおい)や酪酸(吐瀉物のにおい)などが該当し、低濃度でも不快感が強いのが特徴。
湿気を帯びた排気として漂うことが多く、不衛生な印象を与えます。
ペレットクーラー(冷却機)などの排気に含まれる、製品の微粉末です。
厳密にはガス成分ではありませんが、臭気付着粉塵(ダスト)自体に強いにおいが染み付いているため、飛散すると臭気も一緒に拡散します。
脱臭装置を通す前に、物理的に取り除く対策(除塵)が欠かせません。
他にも、場所(施設)ごとに脱臭装置の導入事例、発生しやすい臭気の種類、効果的な脱臭方法などをまとめています。自社が管理している施設のジャンル(または類似ジャンル)の記事をご一読ください。
導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

設置場所
排気ダクト
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 605×400× 1000~820× 570×1400(mm) |
|---|---|
| 重量(kg) | 35~92 |
消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。
15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

設置場所
乾燥炉排気・反応槽ベントライン など
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | - |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。
装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

設置場所
屋外または既存脱臭槽内
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 6~12×9 (54~108㎡) |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。
微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。