食肉加工特有の加熱時の油臭や、排水ピットから漂う腐敗臭は深刻な近隣トラブルの元です。
本記事では、ハム・ソーセージ加工や食肉センターの苦情を解決した脱臭装置の導入事例と、効果的な対策方法を解説します。

| 設置場所 | 鶏肉串打加工場 |
|---|---|
| 臭気対象 | 鶏肉加工時に発生する食肉臭 (脂肪酸臭) |
| 脱臭方法 | プラズマ脱臭 (イオネア160F) |
鶏肉の串打ち加工を行う精肉工場の事例です。作業場内(容積160m3)において、生の鶏肉から発生する特有の食肉臭(脂肪酸臭)が充満し、作業環境の悪化が課題となっていました。
従業員が快適に働ける環境づくりはもちろんのこと、食品を扱う現場として、脱臭だけでなく除菌対策も同時に行える設備が求められていたのです。
エスポ化学のプラズマ脱臭装置「イオネア160F」を導入しました。この装置は脱臭機能に加え、除菌効果も期待できる点が採用の決め手となっています。
導入後は場内の独特な臭気が低減され、作業員にとって快適な環境を実現。空間の除菌対策も強化され、衛生管理レベルの向上にも寄与しています。
| 設置場所 | 食肉加工場内(滋賀食肉センター) |
|---|---|
| 臭気対象 | 食肉加工場から排出される臭気 |
| 脱臭方法 | オゾン脱臭、水スクラバー (アクアオゾンシステム) |
滋賀県近江八幡市に新設された食肉センターの事例です。食肉加工施設では特有の強い臭気が発生するため、計画段階から近隣への悪臭拡散を未然に防ぐことが課題とされていました。
周辺環境への配慮に加え、従業員が働く施設内への臭気拡散も防ぎ、衛生的で快適な作業環境を維持できる脱臭設備が求められていたのです。
導入したのはSATが提供する「アクアオゾンシステム」です。オゾンの強力な酸化力を利用した排気脱臭処理により、操業開始以来、近隣からの臭気苦情はゼロを継続しています。
装置は自動運転のため日々の操作が一切不要で、運用の負担がなく利用できる点が高く評価されました。施設内の空気環境も快適に保たれています。

| 設置場所 | 加工食品製造工場 |
|---|---|
| 臭気対象 | 肉を焼く工程で発生する臭気 |
| 脱臭方法 | 中和脱臭 |
工場地帯に位置する加工食品製造工場の事例です。調理工程で肉を焼く際に発生する強いにおいが周囲に拡散し、近隣住民からクレームが発生していました。
周辺環境への配慮から早急な改善が必要でしたが、大規模な設備投資は難しい状況。低予算で導入でき、なおかつ工場の稼働を止めずに設置できる手軽な脱臭対策が求められていたのです。
コンソルコーポレーションが提供する中和脱臭装置を採用しました。導入の決め手となったのは、ダクトに設置するだけで電源や給排水工事が一切不要という、施工の手軽さと導入コストの安さです。
植物精油(フィトンチッド)を排気ダクト内に放出することで、肉を焼くにおいの粒子を排気前に中和。即効性のある脱臭効果を発揮し、近隣トラブルを早期解決に導きました。
ボイルやハム・ソーセージの加熱工程など、高温多湿な排気に効果的な方法です。
水溶性の臭気成分をシャワーで洗い流すと同時に、排気ダクト火災の原因となる微細な油分(油脂)や粉塵も除去できるため、衛生管理(HACCP)と防火対策の両面で食肉工場に適しています。
薬液スクラバーを含む「スクラバー脱臭」の導入効果を知りたい方は、次の記事でご確認ください。
食肉工場特有の油煙臭や腐敗臭など、成分が混ざり合った複合臭の仕上げ脱臭に有効です。
排気口付近に設置し、近隣の敷地境界線における臭気を完全に消す用途で使われます。
食肉加工で大量に出る、血液や脂肪分を含んだ排水処理施設(ピット)や残渣保管庫の悪臭対策に効果を発揮します。
微生物がタンパク質の腐敗臭(硫化水素など)を分解するため、薬品を使わずに24時間体制で脱臭し続けることが可能です。
オゾンの強力な酸化力で、臭気成分を分解すると同時に、工場内の浮遊菌や付着菌を除菌する方法です。
ダクト内にオゾンを注入することで、カビや油脂汚れの蓄積を抑制する効果もあり、衛生管理が厳格な食肉カット室や包装室などの環境改善によく選ばれています。
食肉加工工場の悩みを解決する脱臭装置の選び方
重要なのは臭気に合った脱臭装置を選ぶことです。食肉加工工場で扱っている肉の種類や調理工程によって、発生する臭気は変わってきます。
ただし、目に見えない臭気成分を正確に特定するのは難しいため、臭気の発生場所に合った脱臭装置を選ぶのがおすすめです。
当メディアでは、臭気成分がよく分からないという方でも選びやすいよう、導入場所別におすすめの脱臭装置を厳選しました。食品工場におすすめの脱臭装置も調査していますので、現場に合った製品選びの材料としてご活用ください。
と畜場や食肉センターの解体・内臓処理ラインで発生する、鼻を突くような刺激臭(獣臭・腐敗臭)です。
動物性タンパク質が分解される過程で生じるトリメチルアミンなどが主成分で、衣服や髪に付着しやすく、従業員の作業環境を悪化させる主な原因となります。
血液、脂肪、肉片を含む排水や残渣が腐敗して発生する、腐った卵や玉ねぎのような強烈な悪臭です。
閾値(においを感じる最小濃度)が極めて低く、わずかな量でも「下水臭い」「ガス臭い」と広範囲に広がるため、近隣クレームに繋がりやすい傾向があります。
ラードやヘットの製造(レンダリング)や、フライ・ロースト工程で脂肪が加熱・酸化されると発生します。
汗臭さや足の裏のにおいに似た酸っぱいにおいがするのが特徴的。排気温度が高いため上昇気流に乗り、遠方まで拡散して「何かが腐ったような酸っぱいにおい」として着地するケースがあります。
ハムやソーセージの燻製工程で使用するスモークチップ(木材成分)に由来する成分です。焦げたようなにおいや煙たい刺激臭が混ざり合います。
製造中は芳香ですが、排気として長時間漂うと「煙たい」「喉が痛い」などの苦情につながる可能性があるので、注意が必要です。
他にも、場所(施設)ごとに脱臭装置の導入事例、発生しやすい臭気の種類、効果的な脱臭方法などをまとめています。自社が管理している施設のジャンル(または類似ジャンル)の記事をご一読ください。
導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

設置場所
排気ダクト
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 605×400× 1000~820× 570×1400(mm) |
|---|---|
| 重量(kg) | 35~92 |
消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。
15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

設置場所
乾燥炉排気・反応槽ベントライン など
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | - |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。
装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

設置場所
屋外または既存脱臭槽内
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 6~12×9 (54~108㎡) |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。
微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。