三菱電機は、大規模な水処理・化学プラントから家庭用のルームエアコンに至るまで、幅広い空間の空気質管理において、高度なエンジニアリング力を誇る総合電機メーカーです。独自のオゾン生成技術や電界放出制御技術を軸に、環境負荷の低減と快適な居住空間の維持をサポートしています。
本記事では、産業向けのオゾン脱臭装置や居住空間向けのヘルスエアー技術の仕組み、導入施設の傾向などを詳しくまとめました。
産業用の「乾式オゾン脱臭装置」では、オゾン発生技術と特殊な脱臭触媒を統合したハイブリッド構造を採用。触媒の表面にオゾンと悪臭物質を吸着させ、瞬時に酸化分解することで、空間的な滞留時間を著しく短縮しています。
通常のオゾン酸化では処理に時間がかかる有機硫黄化合物などに対しても、高い耐久性と分解能力を発揮。巨大な反応チャンバーを必要としないため、限られた設置スペースでの工場排気対策にも柔軟に対応できるでしょう。
オフィスや病院の待合室など、高濃度オゾンの放出が制限される空間に向けては「ヘルスエアー機能搭載循環ファン」などを展開。特殊なタングステンを平坦に加工したリボン電極を用い、吸込み口の全域にわたって均一な高電界のカーテンを発生させます。
浮遊する菌やアレルゲンをしっかりと抑制し、下流の特殊触媒フィルターで生活臭を効率よく吸着・分解。ルームエアコン「霧ヶ峰」の上位機種で採用されているピュアミスト技術(帯電ナノ水粒子放出)などとともに、安全に室内の空気質を維持するアプローチとして役立ちます。
水処理施設や化学プラントなどで発生する大風量の悪臭処理に向けて設計された、産業用のオゾン脱臭システムです。オゾン注入と触媒による接触分解を組み合わせることで、処理装置の劇的な小型化と高い脱臭効率を両立させています。
排気風量に合わせて幅広いスケールに対応し、過酷な産業排気ラインの臭気課題を解決。ただし、アセトアルデヒド等のVOC処理においては、後段に活性炭吸着ユニットをハイブリッド配置する設計が推奨されています。
| 脱臭方法 | 乾式オゾン注入 + 金属酸化物接触分解触媒 |
|---|---|
| 定格処理風量 | 3.5 〜 50 m3/分(大型プラント向けはさらに大風量に対応) |
| 寸法・重量・消費電力 | 設計仕様や処理風量により個別にモジュール化 |
| 主な用途 | 下水処理場、化学プラント、大規模な産業排気ラインなど |
| 装置の特徴 | 自己分解触媒によるオゾン漏れの完全防止、高い触媒耐久性 |
| 臭気対象 | 硫化メチルなどの有機硫黄化合物、アセトアルデヒド等のVOC |
オフィスビルや病院、店舗など、人が常時滞在する広い空間の空気質改善に向けて開発された大風量タイプの循環ファンです。独自のリボン電極による電界放電と触媒フィルターを組み合わせ、室内の生活臭や浮遊菌を安全かつスピーディに処理します。
機外への活性オゾン排出を環境基準値内に抑えた設計により、有人環境での24時間連続運転が可能。大風量で空間全体の空気を効率よく循環させ、快適でクリーンな居住環境の維持を力強く支えるでしょう。
| 脱臭方法 | タングステンリボン電極電界放電 + 触媒フィルター |
|---|---|
| 推奨適合空間 | オフィス、会議室、病院待合室などの広めの空間 |
| 安全機能 | 機外への活性オゾン排出を極小化(0.05ppm以下等) |
| 設置形態 | 天井埋込形、壁掛形などの大風量対応モデル |
| 主な用途 | オフィスビル、病院の待合室、店舗、公共施設など |
| 装置の特徴 | 大風量による効率的な空気循環、丸洗い可能な電極・触媒 |
現在、公式サイトにおいて脱臭装置単体に特化した詳細な導入事例は確認できませんでした。
上水・下水処理分野における同社システムの実績は豊富に紹介されているものの、個別施設のストーリー形式の事例は掲載されていません。しかし、同社のオゾナイザや空気清浄技術は、大規模な浄水場や下水処理施設、各種化学プラントをはじめ、オフィスビルや病院に至るまで、国内外の幅広い現場で環境インフラとして稼働していることがうかがえます。
事例を踏まえた導入施設の傾向
難分解性の硫黄化合物などが排出される大規模な処理施設から、人が常時滞在する病院やオフィスなどの居住空間まで、用途のスケールに合わせて幅広く選ばれています。対象空間の安全性と処理効率を両立したシステム設計を求める現場に適した選択肢と言えるでしょう。
ただし、設置スペースが極端に狭い既存ダクトへの後付け案件には注意を要します。産業用の乾式オゾン脱臭装置などは、導入にあたり事前のプラント設計や送風ファンとの連動計画が必要です。
その場合は、圧力損失がほとんど生じない植物精油中和消臭方式などの代替技術との棲み分けを検討すると良いでしょう。このように製品ごとに得意な領域や適合する条件が異なるため、発生場所に応じた適切な選定が欠かせません。
においの原因や発生場所によって適した脱臭装置は異なります。当メディアでは、「食品工場」「化学・薬品工場」「畜産農業現場」など、においの発生場所ごとに適した装置を紹介しています。環境に合った装置選びの参考にしてください。
「なぜその装置が選ばれているのか」「自社に本当に合っているのか」を整理して検討したい方は脱臭装置の選び方(種類別の特徴)を、同じような環境での導入イメージを具体的に知りたい方は施設別の導入事例まとめもあわせてご一読ください。
居住空間向けの「ヘルスエアー機能搭載循環ファン」では、内部の放電電極ユニットや特殊触媒フィルターを丸洗いできる構造を採用。定期的な水洗いと完全な陰干しによる乾燥を徹底することで、初期の優れた脱臭・空気清浄性能を長期間にわたって維持できます。
産業用の「乾式オゾン脱臭装置」においても、オゾンと触媒のハイブリッド効果により、従来の活性炭(脱硫炭など)と比較して吸着剤の交換寿命を大幅に延伸。システム全体のランニングコストや交換の手間を抑える運用が叶います。
総合電機メーカーとしての広範な技術力と強固な経営基盤を背景に、水処理・大気浄化インフラの構築から家庭用空調システムまで、規模を問わず一貫した環境ソリューションを提案する体制を整えています。
設置環境の流体力学的特性や悪臭の化学的プロファイルに応じた詳細なシステム設計を行い、国内外のプロジェクトにおいて長期にわたる安定した運用をサポートするでしょう。
| 会社名 | 三菱電機株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル |
| 電話番号 | 03-3218-2111(代表) |
| 公式HP | https://www.mitsubishielectric.co.jp/ |
導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

設置場所
排気ダクト
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 605×400× 1000~820× 570×1400(mm) |
|---|---|
| 重量(kg) | 35~92 |
消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。
15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

設置場所
乾燥炉排気・反応槽ベントライン など
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | - |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。
装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

設置場所
屋外または既存脱臭槽内
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 6~12×9 (54~108㎡) |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。
微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。