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脱臭装置の初期費用

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脱臭方式の違いはもちろん、「処理風量」や「設置環境」によって数十万円から数千万円まで大きく変動します。
適正な予算を確保するには、単なる本体価格だけでなく、工事費や付帯設備費を含めた総額イメージをもつことが必要です。

本記事では、Web調査に基づく方式ごとの相場観と、見積に含まれる費用の内訳を解説していきます。

脱臭装置の種類別に見る
初期費用の目安

各脱臭方式における初期費用の目安を以下の表にまとめました。金額幅が大きい理由は、処理する空気の量(風量)や対象となる施設の規模が異なるためです。

中和脱臭装置 13万円~220万円※1
オゾン脱臭装置 10万円~300万円※2
光触媒脱臭装置 1,850万円※3
プラズマ脱臭装置 2,500~3,500万円※4
活性炭脱臭装置 3,200万円※5
スクラバー脱臭装置 3,000万円~4,000万円※6
バイオフィルター脱臭装置 3,800万円 ~ 7億6,000万円※7
燃焼式脱臭装置 6,000万円~6,600万円※8

※1 参照元:日本デオドール公式HP|厨房排気消臭のイニシャルコスト(風量33~370CMMのレンジ)(https://deodor.co.jp/tyubo/ryokin.html)
※2 参照元:オゾンマート公式HP|小規模店舗から大規模施設向けまでのレンジ (https://www.ozonemart.jp/blogs/column/installation-cost)
※3 参照元:脱臭ナビ【PDF】|PCF- 光触媒脱臭装置のイニシャルコスト (https://dashdb.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/02/tech9_16.pdf)
※4 参照元:カルモア公式HP|低温プラズマ脱臭装置の初期費用 (https://www.karumoa.co.jp/product/deodrizingemachine/plasma/)
※5 参照元:カルモア公式HP|活性炭脱臭装置(風量200CMMの場合)の概算 (https://www.karumoa.co.jp/product/deodrizingemachine/plasma/)
※6 参照元:アイエンス公式HP|充填式スクラバーと水膜式スクラバー(デオライザー)のイニシャルコスト (https://www.aience.co.jp/scrubber/q_and_a/010.html)
※7 参照元:SAMCO Technologies公式HP|25万ドル~500万ドル表記のため、2026年2月17日時点のレート(1ドル=152.87円)で試算 (https://samcotech.com/how-much-do-biological-wastewater-treatment-systems-cost-pricing/)
※8 参照元:カルモア公式HP|燃焼脱臭装置(風量200CMMの場合)の概算 (https://www.karumoa.co.jp/product/deodrizingemachine/nensyo/)

上記金額はあくまでWeb上で確認できる一例に過ぎません。実際の見積額は、「処理風量」と「臭気濃度」によって桁が変わる可能性があります。
例えば、同じ方式でも小規模な飲食店用と大規模な化学工場用では、装置のサイズが全く異なります。

正確な金額を知るには専門業者への見積依頼が必要です。まずはこの表を、方式ごとの価格帯を大まかに把握するための材料としてご活用ください。

代表的な脱臭方式の
初期費用相場(比較表)

脱臭装置の初期費用を比較する際は、方式だけでなく「どれだけの空気を処理する必要があるか」という処理風量(排気量)をそろえて考えることが重要です。

例えば、工場や事業所で導入される中規模設備として50~100㎥/min程度の処理風量を想定した場合でも、臭気濃度や必要な脱臭効率、前処理設備の有無などによって費用は大きく変わります。代表的な方式の大まかな予算感を以下にまとめました。

脱臭方式 適した臭気 初期費用の目安 設備規模
活性炭吸着法 低~中濃度の有機系臭気、VOCなど 数百万円~数千万円規模 小~中規模
薬液スクラバー アンモニア、硫化水素、酸・アルカリ性ガスなど 数百万円~数千万円規模 中~大規模
バイオフィルター 下水・排水処理、畜産、食品工場などの生物分解しやすい臭気 数千万円規模になりやすい 中~大規模
燃焼法 VOC、溶剤臭、高濃度の有機系臭気など 数千万円規模になりやすい 中~大規模

※上記は50~100㎥/min程度の処理風量を想定した場合の大まかな予算感です。実際の価格は臭気濃度、必要脱臭効率、材質、前処理設備、設置場所、工事内容などによって大きく変動します。

特に確認しておきたいのが処理風量です。処理する排気量が増えるほど、装置本体だけでなく、ファンやダクト、反応槽なども大型化するため、初期費用が高くなる傾向があります。同じ脱臭方式でも50㎥/minの設備と500㎥/minの設備では、必要となる装置規模は大きく異なります。

そのため、正確な予算を立てる第一歩は、まず自社設備の排気量や必要な処理風量を把握することです。そのうえで臭気濃度や成分を調査し、複数の方式を比較することで、必要以上に大きな設備を選ぶリスクを抑えられます。

脱臭装置の初期費用を
構成する要素

見積書を見た際に想定外の金額に驚かないよう、初期費用の構成要素を理解しておきましょう。
費用は本体価格だけではありません。一般的に、大きく分けて以下の4つの要素で構成されます。

装置本体・主要部材費

脱臭装置の「心臓部」にあたる費用です。脱臭方式によって構成内容は異なりますが、基本的には臭気成分を除去するための反応機構そのものを指します。

  • 筐体:装置の外枠部分
  • 反応塔・充填塔:脱臭処理を行うメインスペース
  • オゾン発生器、バーナー、紫外線ランプなど:各方式の核となる機器

重要な点は、活性炭や化学吸着剤、バイオ担体(微生物の住処)といった最初に充填するための消耗品費も初期費用に含まれる場合が多いことです。
特殊な吸着剤や触媒を使用する方式では、この充填材のコストが本体価格を押し上げる要因となります。

付帯設備費

本体を設置しただけでは、脱臭装置は機能しません。空気を送り込んだり、システムを制御したりするための周辺機器が必要です。
以下に基本的な付帯設備をまとめました。

  • 送風機(ファン・ブロワー):臭気を含んだ空気を吸引し、装置へ送り込むための必須機器。
  • ポンプ類:スクラバー脱臭(水洗浄式)などで、洗浄水を循環させるために必要となります。
  • 制御盤:運転のON/OFFスイッチ、タイマー制御、異常検知アラームなどを司る電気設備。
  • フード・吸込口:臭気の発生源を覆い、効率よく捕集するためのカバー。現場に合わせたオーダーメイド製作となることが多く、形状の複雑さが費用に影響します。

工事・施工費

見積額が変動しやすい項目です。設置場所の条件によって作業工数が大きく変わるため、現地調査なしでは正確な算出が困難な部分でもあります。

  • ダクト工事:発生源から脱臭装置までの配管をつなぐ工事。距離が長いほど、材料費と作業費が高騰します。
  • 電気工事:装置や送風機を動かすための電源引き込み配線工事。
  • 給排水工事:スクラバー脱臭など水を使用する装置の場合、給水管の接続と排水処理設備への接続が必要です。
  • 基礎工事・足場:屋上設置時のクレーン揚重費、重量に耐えるコンクリート基礎の打設、高所作業用の足場設置費など。

設置場所をにおいの発生源の近くにするなど工夫すれば、ダクトの距離を短縮でき、工事費を圧縮できる可能性があります。

諸経費・その他

見落とされがちですが、プロジェクトを進行させるために必ず発生する費用です。

  • 設計・技術料:現場特有の臭気濃度や風量を計算し、適切な装置スペックを設計するための費用。
  • 運搬・搬入費:工場から設置現場までのトラック輸送費や、構内での横持ち移動、重機による据え付け作業費。
  • 試運転調整費:設置完了後、装置が正常に稼働するか、設計通りの風量や脱臭性能が出るかを確認・調整する作業費。
  • 官公庁申請費:大規模な装置や特定の地域・業種において、行政への届出が必要な場合の書類作成や代行費用。

脱臭装置の初期費用を抑える!
補助金・助成金の活用

工場向けの脱臭装置は、設備規模によっては数千万円単位の投資になることがあります。こうした負担を軽減する方法として確認しておきたいのが、国や自治体が実施する補助金・助成金、環境対策向けの融資制度です。

脱臭装置だけを対象とした全国共通の補助制度が常時用意されているわけではありませんが、自治体によっては、悪臭・騒音・振動などの公害防止や周辺環境の改善を目的とした設備投資を支援しています。対象業種や事業所所在地、設備の用途などによって利用できる制度が異なるため、導入前に自治体や商工担当窓口へ確認しておきましょう。

自治体の環境保全・悪臭対策に関する補助金

自治体では「環境保全対策資金」「公害防止資金」「操業環境改善助成金」など、さまざまな名称で事業者向けの支援制度を設けている場合があります。対象には、防音・防振設備だけでなく、脱臭装置や防臭設備、生産設備の改修などが含まれるケースもあります。

補助率や上限額は制度によって異なりますが、対象経費の一部を補助する仕組みが一般的です。例えば、対象経費の1/2程度を支援する制度のほか、自治体によっては1/3や3/4といった補助率が設定されることもあります。上限額についても数十万円から数百万円規模まで幅があるため、自社所在地で利用できる制度を個別に確認する必要があります。

なお、補助金・助成金の多くは申請や交付決定より前に設備を発注・契約・着工すると対象外になる場合があります。また、募集期間や予算額、対象設備などは年度によって変更されるため、脱臭装置の導入計画を立てる段階で最新情報を確認しておくことが重要です。

まとめ:
初期費用の安さだけで選ぶと
失敗する理由

どの脱臭方式を採用するかによって、付帯設備や必要な工事が変わってくるため、初期費用の安さだけで選ぶのは危険です。
また、導入後のランニングコストも変わってきます。

導入を成功させるためには、初期費用だけでなく、将来的な維持費を含めたトータルコスト、そして自社の設置環境や臭気の質に合致しているかを総合的に判断する必要があります。

「自社のケースではどの装置が適切なのか」「無駄なコストを抑えたい」と迷われている方は、以下の場所別おすすめガイドをぜひご覧ください。

方式ごとのランニングコストの違いや内訳について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3選

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
厨房・食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

対応できる臭い

調理油/魚類/肉類/揚げ物/煮炊き排気/生ゴミ/カビ/硫化水素/スチレン/硫化メチル

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

対応できる臭い

香料/樹脂/フェノール/キシレン/酢酸ブチル/コーティング機排気/酢酸エチル/シアン化水素/アンモニア/1,2,4-トリメチルベンゼン

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業・堆肥なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

対応できる臭い

高濃度アンモニア/硫化水素/硫黄系臭気

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選