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飲食店・厨房排気の脱臭装置導入事例から学ぶ臭気対策

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飲食店や商業施設、給食センターなどの厨房から排出される排気は、調理に伴う強いにおいだけでなく、多量の「油煙(オイルミスト)」を含んでいるのが大きな特徴です。近隣住民との距離が非常に近いケースが多く、対策を怠ると深刻な臭気苦情や、ダクト火災のリスクを引き起こします。

本記事では、周囲の環境や調理メニューに合わせた実効性の高い脱臭方法や、トラブルを防ぐための前処理、代表的な臭気成分について詳しく解説します。

エレベーター内へのすし酢臭をダクト延長と中和消臭で解消

ビル間の非常に狭い通路の壁面に設置された中和消臭器DC-6FT
引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/dc-exa03.html)
排気ダクトへ消臭剤を挿入するための配管接続部
引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/dc-exa03.html)
ビル間の非常に狭い通路の壁面に設置された中和消臭器DC-6FT
排気ダクトへ消臭剤を挿入するための配管接続部
設置場所 商業ビル内テナント
(高級寿司店・厨房排気)
臭気対象 すし酢(お酢)のツンとした酸性刺激臭、焼き物・揚げ物の調理臭
脱臭方法 ダクト移設延長 + 中和消臭器
(中和消臭器 DC-6FT 1台/消臭剤:マイルドブレンド)

導入背景:ビル共有部(エレベーター)への臭気回り込みと幅40cmの設置制限

大型商業ビル内のテナントとして入居する、高級寿司店の厨房排気対策です。すし酢特有のツンとする強いお酢のにおいや、焼き物・揚げ物に伴う調理臭が課題となっていました。特に深刻だったのは、厨房の排気口のすぐ近くにビルのエレベーター用給気口が配置されていた点です。排気がそのまま館内へと吸い込まれ、共有部であるエレベーター内に調理臭が充満してしまうため、施設管理上の大きな問題となっていました。

給気口から排気を離すためのダクト延長が不可欠でしたが、ビルに囲まれた屋外の対策スペースは体感幅わずか40cmほどと極めて狭く、通常の大型脱臭設備を搬入・設置することは物理的に不可能な状態でした。

導入後:省スペース設計の消臭器とダクト延長の二重対策でクレームを解消

限られた条件をクリアするため、排気口の位置をずらす「ダクト延長」と、デッドスペースにすっきり収まる「中和消臭器」を組み合わせたハイブリッドな対策を実施しました。人が横向き(カニ歩き)でギリギリ通れるほどの狭いビル間の壁面に、薄型設計のファン・タイマー付き中和消臭器「DC-6FT」を壁掛け設置し、排気ダクト内へピンポイントで消臭剤を挿入するシステムを構築しました。

消臭剤には植物由来のフィトンチッド成分を用いた「マイルドブレンド」を採用。お酢の鼻を刺すような刺激臭が、消臭成分のさわやかな草木系の香りと気相中で化学反応を起こすことで、においの濃度を大幅に低減し、角のないマイルドな臭質へ変化させました。ダクトの移設効果と相まってエレベーター内へのにおいの流入は完全に解消され、ビルの利用客からも大変喜ばれています。

※参照元:日本デオドール公式HP(https://deodor.co.jp/dc-exa03.html

焼き鳥の強烈なタレ臭を極小スペースで吸着遮断

店舗入口横のスペースに設置されたゼオガイア脱臭装置
引用元:カルモア公式HP
(https://www.karumoa.co.jp/casestudy/filter/casestudy-14685/)
省スペース設計にカスタマイズされた脱臭装置の設置様子
引用元:カルモア公式HP
(https://www.karumoa.co.jp/casestudy/filter/casestudy-14685/)
店舗入口横のスペースに設置されたゼオガイア脱臭装置
省スペース設計にカスタマイズされた脱臭装置の設置様子
設置場所 焼き鳥居酒屋
(既設テナント店舗)
臭気対象 焼き鳥(タレ)の焦げを伴う強い調理排気臭
脱臭方法 セラミックフィルター吸着脱臭
(不燃性セラミックフィルター「ゼオガイア ZG-3000」・特殊仕様)

導入背景:強烈なタレの焦げ臭と、設置スペース「皆無」の二重苦

既設ビルに入居する焼き鳥居酒屋テナントからの相談事例です。焼き鳥、特にタレの加熱時に発生するにおいは極めて臭気レベルが高く、近隣のオフィスビルやマンション住民から苦情が発生しやすい代表的な臭気です。対策が不可避である一方で、天井裏には全く余裕がなく、屋外も隣接ビルとの距離が近すぎるため、一般的な大型脱臭装置を設置するスペースがどこにもないという深刻な状況でした。

テナント範囲内で工事を完結させなければならないという厳しい制約のもと、近隣住民の納得を得られる「高い脱臭性能」と、限られたデッドスペースに滑り込ませる「圧倒的なコンパクトさ」を両立する解決策が強く求められていました。

導入後:不燃性フィルター「ゼオガイア」を入口横へスマートに設置

厨房排気専用に開発されたセラミックフィルター脱臭装置「ゼオガイア(ZG-3000)」を導入しました。店舗入口横に残されたギリギリの極小スペースを活用し、ケーシング(外箱)を現場の寸法に合わせて特殊仕様に設計・改造して設置することで、デッドスペースへのスマートな格納を実現しました。

ゼオガイアは、調理臭と相性の良い無機繊維セラミック素材でできており、最大フィルター装填時で初期値最大98%の非常に高い脱臭効率を誇ります。さらに、一般的に厨房排気で使われる活性炭フィルターと異なり、万が一のダクト火災にも耐えうる「不燃性素材」であるため、火を扱う焼き鳥店の排気経路にも安心して直結できます。導入後は周囲へのにおいの漏洩が大幅に低減され、深刻な悪臭苦情を未然に防ぐことに成功しました。

※参照元:カルモア公式HP(https://www.karumoa.co.jp/casestudy/filter/casestudy-14685/

牛丼チェーンの調理臭をビルイン向け天吊り脱臭で解決

ビルイン型店舗の限られたスペースに設置された排気脱臭装置
引用元:三協エアテック公式HP
(https://www.sat.co.jp/case/yoshinoya/)
設置場所 大手牛丼チェーン店舗
(ビルイン型店舗・テナント)
臭気対象 厨房から排気される肉・タレなどの調理排気臭
脱臭方法 コンパクト型排気脱臭装置
(省スペース設計・天吊り仕様)

導入背景:広い設置場所がないビルイン店舗での周辺への臭気配慮

都市部のビルの一部に入居する、大手牛丼チェーンのビルイン型店舗における厨房排気対策の事例です。店舗周辺への環境配慮から調理に伴うにおいの低減が求められていましたが、ビルイン店舗特有の課題として「屋上などに大型の脱臭装置を設置するための広いスペースを全く確保できない」という致命的な問題に直面していました。近隣への配慮を徹底しつつも、現場の狭小なスペース条件をクリアできる特殊な装置の選定が不可欠でした。

導入後:天井吊り下げ対応のコンパクト設計で現場の負担もゼロに

限られたデッドスペースを有効活用できるよう、極限まで小型・省スペース化を図った専用の「排気脱臭装置」を導入しました。サイズを大幅に縮小したことで、狭い屋外スペースへの設置はもちろん、室内の天井から直接吊り下げて店舗内にすっきりと格納する天吊り設置も可能となり、スペース問題を完全に克服しました。

優れた脱臭効率を維持しながら、店舗スタッフによる日々の運転操作や日常的なメンテナンス作業が一切発生しない構造になっているため、現場のオペレーションに負担をかけません。年に1回、メーカーによる定期点検・メンテナンスを実施することで性能低下を防ぎ、長期にわたり安心して稼働を継続しています。この高い使用感と省スペース性が評価され、同チェーンの他店舗へも順次導入が拡大しています。

※参照元:三協エアテック公式HP(https://www.sat.co.jp/case/yoshinoya/

飲食店厨房の排気対策に効果的な脱臭方法

中和脱臭装置(消臭剤スプレー)

排気ダクト内や排気口付近に産業用消臭剤を噴霧し、調理臭を気相中で中和・分解するシステムです。焼肉や焼き鳥、中華などの油分やスパイスを多く含んだ強いにおいに対して非常に高い消臭効果を発揮します。

装置自体が非常にコンパクトなため、ビルイン店舗の限られた機械室や、既存のダクトスペースへの後付け設置が容易です。ダクト内を消臭成分が通過しながらにおい分子をキャッチするため、風量変動に強く安定した消臭力を維持できます。

オゾン脱臭装置

オゾン($O_3$)の強力な酸化作用を利用して、排気ダクト内のにおい分子を直接分解・脱臭するシステムです。特に、魚の生臭さや焦げた調理臭、カレーのスパイス臭など、分解されにくい強烈な有機臭気を効率よく低減します。

オゾンは分解後に無害な酸素に戻るため残留性がなく、資材の補充(消臭剤の継ぎ足しなど)が不要でランニングコストを抑えられる点が強みです。導入の際は、ダクト内でのオゾン接触時間を十分に確保する設計(滞留時間の計算)が重要になります。

セラミックフィルター脱臭装置

耐熱性・耐水性に優れた特殊なセラミック素材のフィルターに排気を通し、においと油煙を物理的・化学的にキャッチする装置です。活性炭では対応が難しい「高温」かつ「高湿度・高油分」の厨房排気に対して、目詰まりを起こしにくい抜群の安定性を発揮します。

燃えるような油煙が直接ダクトに吸い込まれるのを防ぐ防火ダンパーの役割も兼ねており、焼き物や揚げ物工程が多い厨房の安全・臭気対策として非常に高い信頼性を誇ります。

飲食店厨房の臭気対策で必須となる前処理

油煙(オイルミスト)の徹底回収

飲食店や厨房排気の対策において、脱臭装置の性能を維持するためにもっとも重要なのが「オイルミスト(油分)の一次回収」です。調理時に発生する微細な油滴(ミスト)が未処理のまま排気ダクトや脱臭装置に侵入すると、ダクト内壁にベタベタと付着してダクト火災の原因となるほか、脱臭フィルターを瞬時にコーティングして完全に目詰まりさせてしまいます。

そのため、吸気口近くには必ず高性能なグリスフィルターや電気集塵機などを設置し、排気ガスから油分を徹底的に分離・回収する前処理設計が必須です。油をきれいに取り除いた状態にして初めて、消臭スプレーやオゾン、各種脱臭装置が100%のパフォーマンスを発揮できるようになります。

CHECK

店舗の立地とメニューに合わせた
最適な装置選定

厨房の排気対策で失敗しないポイントは、「周囲の環境(商業ビル内、住宅密集地など)」と「提供するメニューの臭質・油量」の組み合わせを見極めることです。イニシャルコストだけでなく、定期的な油除去や消臭剤補充といったメンテナンス性も考慮した機器選びが操業継続の鍵となります。

ただし、目に見えない臭気成分を正確に特定するのは難しいため、臭気の発生場所に合った脱臭装置を選ぶのがおすすめです。

当メディアでは、臭気成分がよく分からないという方でも選びやすいよう、導入場所別におすすめの脱臭装置を厳選しました。食品工場におすすめの脱臭装置も調査していますので、現場に合った製品選びの材料としてご活用ください。

厨房から発生する調理臭の種類と特徴

油脂の加熱焦げ臭(アクロレインなど)

焼肉や焼き鳥、ハンバーグなどを網焼き・グリルする際に、肉の脂が炭火や鉄板に落ちて加熱分解されることで発生するツンとした強い刺激を伴う油煙臭です。成分としてはアクロレインや脂肪酸類などが多く含まれ、嗅覚に強く訴えかけます。

風量が多く、温度も高くなりやすいため、耐熱性のフィルターや、油分を包み込みながらにおい物質を無臭化する中和消臭剤が極めて有効です。

アリル化合物・硫黄化合物(にんにく・ねぎ類)

中華料理やラーメン店、イタリアンなどの調理で日常的に多用される、にんにくやねぎ、玉ねぎなどを炒めた際に発生する非常に拡散性の高い、ツンとした特有の刺激臭です。ジアリルジスルフィドなどの硫黄(イオウ)系成分が主因となります。

この系統のにおいは非常に嫌気度(不快感)が高く、近隣苦情のトリガーになりやすいため、オゾンによる酸化分解処理や、硫黄化合物に特化させたブレンドの消臭スプレーで分子レベルから分解する必要があります。

スパイス・カレー臭

カレー専門店やアジアン・エスニック料理店で発生する、クミンやコリアンダー、チリなどの香辛料が混ざり合った独特な強いにおいです。におい成分(アルデヒド類や精油成分)がダクトの金属やファンの羽根に染みつきやすく、一度付着するとなかなか除去できない厄介な性質を持っています。

ダクトににおいが染みつく前段階で処理するため、フード直後からの消臭スプレーの連続噴霧や、オゾンの連続注入によって空気中で即座に酸化・中和を行う設計が効果的です。

魚介・和食系(トリメチルアミンなど)

居酒屋や和食店での焼き魚、寿司店などの調理プロセスで発生する魚介類特有の生臭さや、魚の焦げたにおいです。トリメチルアミンなどのアミン(窒素系)化合物が主成分であり、特に住宅地では「異質なにおい」として敏感に感知されます。

水溶性の性質を併せ持つため、湿式の簡易スクラバーや、アミン類に対して高い吸着・分解性能を発揮する中和消臭剤、もしくはオゾンによる脱臭対策が適しています。

他にも、場所(施設)ごとに脱臭装置の導入事例、発生しやすい臭気の種類、効果的な脱臭方法などをまとめています。自社が管理している施設のジャンル(または類似ジャンル)の記事をご一読ください。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選