脱臭装置の導入を決めたものの、発注してから実際に稼働を開始するまで、どのようなステップを踏み、どのくらいの期間がかかるのかイメージが持てず、社内のスケジュールが立てられないという担当者は少なくありません。
脱臭装置は規格品ではなく、現場の排気条件に合わせて設計・製作されるオーダーメイド設備であるため、発注から稼働開始までには複数の工程と一定の期間が必要です。
本記事では、脱臭装置導入の標準的な流れと各工程の工期の目安、工期が変動する要因について解説します。
脱臭装置の導入は、一般的に以下のような工程で進みます。見積もり比較・発注が完了した後の流れとして押さえておきましょう。
| 工程 | 主な作業内容 |
|---|---|
| 1. 設計・仕様確定 | 現場調査、処理風量・臭気濃度の確認、装置仕様の最終決定 |
| 2. 製作・製造 | 装置本体・付帯設備の製作、工場での組立・検査 |
| 3. 搬入・設置工事 | 装置の搬入・据付、ダクト工事、電気工事、給排水工事 |
| 4. 試運転調整・引き渡し | 稼働確認、風量・脱臭性能の調整、操作説明、引き渡し |
発注前の検討段階で実施するデモ機・テスト機による効果検証や、複数社の見積もり比較は、この流れよりも前の段階に位置づけられます。各段階の進め方については、以下の記事も参考にしてください。
ここでは、各工程で具体的に何を行うのか、そしてどの程度の期間を見込んでおくとよいのかを解説します。
なお、工期は装置の規模やオーダーメイドの度合いによって大きく変動するため、以下はあくまで一般的な目安としてご覧ください。
発注後、まず現場の処理風量・臭気濃度・臭気成分などの条件を最終確認し、装置の詳細仕様(サイズ、材質、付帯設備の構成)を決定します。
この段階で設置スペースの寸法確認や、既設ダクト・配管との取り合いの調整も行われます。仕様変更が発生すると後工程に影響するため、早期に要件を固めておくことが工期短縮のポイントです。
確定した仕様に基づき、装置本体や付帯設備を製作します。
標準品に近い小型装置であれば比較的短期間で製作できますが、大型装置や特殊な材質(防爆仕様、耐薬品仕様など)を要する場合は、部材調達も含めて製作期間が長くなる傾向があります。
製作が完了した装置を現場に搬入し、据付工事を行います。
この工程には以下の工事が含まれます。
工事期間は、現場の規模や既設設備との取り合いの複雑さによって変動します。工事費の内訳については、以下の記事も参考にしてください。
設置工事が完了したら、実際に装置を稼働させて風量や脱臭性能が設計通りに出ているかを確認・調整します。
必要に応じて臭気濃度の測定を行い、設計目標値に達していることを確認したうえで操作説明を受け、引き渡しとなります。
脱臭装置の工期は、以下のような要因によって短縮・延長されます。発注前に自社のケースがどちらに該当しそうかを確認しておくと、スケジュール計画の精度が上がります。
| 要因 | 工期への影響 |
|---|---|
| 標準仕様に近いか、特殊なオーダーメイド仕様か | 特殊仕様(防爆、耐薬品等)は部材調達・製作に時間を要し、工期が長くなりやすい |
| 設置スペースの制約・既設設備との取り合い | 狭小スペースや既設ダクトとの接続が複雑な場合、工事期間が延びやすい |
| 稼働中の設備への後付けか、新設工事か | 稼働中設備への後付けは、生産ラインの停止時間に工事を合わせる必要があり、工程調整に時間がかかることがある |
| 行政への届出・許可が必要な設備か | 防爆仕様や危険物関連の届出が必要な場合、手続き期間が工期に加算される |
既存の生産ラインや厨房設備が稼働している現場に脱臭装置を後付けする場合、工事のために一時的に稼働を停止する必要があるかどうかが、工期とスケジュール調整の両面で重要なポイントになります。
ダクトの接続や電気工事の内容によっては、定期メンテナンスや休業日に合わせて工事を実施できるケースもあります。
施工会社との打ち合わせ段階で、「稼働を止めずに施工できる範囲」と「停止が必要な工程」を切り分けて確認しておくことで、生産計画への影響を最小限に抑えられます。
脱臭装置の導入は、設計・製作・設置工事・試運転調整という複数の工程を経て稼働開始に至ります。
装置の仕様や設置環境によって工期は大きく変動するため、発注前の見積もり段階で工期の目安を確認し、社内の生産計画や稟議のスケジュールに余裕を持たせておくことが重要です。
当メディアでは、見積もりの比較方法や費用の内訳についても詳しく解説しています。導入計画を立てる際の判断材料として、ぜひ参考にしてください。
導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

設置場所
排気ダクト
対応できる臭い
調理油/魚類/肉類/揚げ物/煮炊き排気/生ゴミ/カビ/硫化水素/スチレン/硫化メチル
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 605×400× 1000~820× 570×1400(mm) |
|---|---|
| 重量(kg) | 35~92 |
消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。
15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

設置場所
乾燥炉排気・反応槽ベントライン など
対応できる臭い
香料/樹脂/フェノール/キシレン/酢酸ブチル/コーティング機排気/酢酸エチル/シアン化水素/アンモニア/1,2,4-トリメチルベンゼン
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | - |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。
装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

設置場所
屋外または既存脱臭槽内
対応できる臭い
高濃度アンモニア/硫化水素/硫黄系臭気
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 6~12×9 (54~108㎡) |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。
微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。