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ダクト式脱臭装置とは?

工場や大規模な飲食店など、臭気や有害ガスが大量に発生する現場において、確実な排気と脱臭は不可欠です。

そのような環境で広く採用されているのが、排気配管(ダクト)を通じて空気を集め、脱臭装置で浄化してから屋外へ排出する「ダクト式」のシステムです。
本記事では、ダクト式脱臭装置の基本構造やメリット・デメリット、そしてダクトレス型との使い分けの判断基準を解説します。

ダクト式脱臭装置とは

ダクト式脱臭装置とは、臭気の発生源から配管(ダクト)を繋いで汚れた空気を吸引し、装置本体を通過させて浄化した空気を建物の外部へ排出する方式の脱臭システムです。

工場全体の換気や、飲食店の厨房排気など、局所排気では対応しきれない大規模な空間や、高濃度の臭気を処理する際の標準的な設備として位置づけられています。

ダクト式脱臭装置の基本構造と
脱臭のしくみ

ダクト式のシステムは、主に以下の要素で構成され、段階的に臭気を処理します。

発生源での捕集(フード・ダクト)

臭気やガスが発生する場所にフードを設置し、ダクトを通じて空気を効率よく集めます。発生源にできるだけ近い位置で捕集することで、室内への臭気拡散を防ぎます。

浄化処理(脱臭装置本体)

ダクトを通ってきた空気は、脱臭装置本体へと導かれます。活性炭、オゾン、光触媒、燃焼式、スクラバーなど、対象となる臭気成分や濃度に合わせて適切な方式の脱臭装置が選定され、ここで有害物質や臭いが除去・分解されます。

排出(排風機・排気筒)

浄化された空気は、排風機(ファン)の力で押し出され、建物の屋上や外壁に設けられた排気筒から屋外へと放出されます。

ダクト式のメリットと
導入に適した現場

ダクト式脱臭装置には、大規模な臭気対策を可能にする以下のメリットがあります。

大風量・高濃度の臭気に対応可能

配管の太さや排風機の能力を調整することで、大量の空気や高濃度の臭気を安定的かつ連続的に処理できます。工場排気など、大規模な処理が求められる環境に適しています。

臭気を確実に屋外へ排出

処理後の空気を室内に戻さないため、万が一脱臭性能が一時的に低下した場合でも、室内環境への悪影響を抑えることができます。また、熱や湿気も一緒に排出されるため、作業環境の維持に役立ちます。

多様な脱臭方式から選択できる

設置スペースが許す限り、スクラバーや燃焼式など、大掛かりな設備が必要な脱臭方式も組み込むことができ、対象ガスに応じた柔軟な設計が可能です。

導入に適した現場の例

  • 製造工場・化学工場の全体排気・局所排気
  • 大規模な飲食店の厨房・食品加工施設
  • 廃棄物処理施設・下水処理場
  • 排出口の高さや位置が法令で指定されている施設

ダクト式のデメリットと
導入時の注意点

ダクト式脱臭装置は確実な処理が可能ですが、設備導入にあたり以下の点に注意が必要です。

ダクト設置工事が必要

壁への穴あけや排気筒の立ち上げなど、設備工事が伴います。初期費用がかかるほか、テナントビルなどでは建物の構造や管理規約によって工事が認められないケースもあります。

排気による空調ロス

室内の空気を大量に屋外へ排出するため、冷暖房の効いた空気も一緒に逃げてしまいます。空調のランニングコストが増加する可能性があるため、給排気のバランスを考慮した空調設計が必要です。

定期的なダクト清掃が必要

長期間使用すると、ダクト内部に油汚れや粉塵が付着し、排気効率の低下や火災のリスクに繋がります。装置本体のメンテナンスに加え、ダクト配管の定期的な清掃や点検も計画に組み込む必要があります。

ダクトレス型との比較で見る
適用範囲

建物の制約でダクト工事が不可能な場合や、小規模な局所排気で済む場合はダクトレス型が候補になりますが、確実な排気と大容量の処理能力が求められる現場では、ダクト式が基本の選択肢となります。

比較項目 ダクト式
(屋外排出方式)
ダクトレス型
(室内循環方式)
ダクト工事 必要(壁貫通・排気筒設置) 不要
処理風量 小〜大風量まで対応可能 小風量向き(局所排気)
対応濃度 低〜高濃度(方式による) 低〜中濃度
空調への影響 大きい(空調された空気を排出) 小さい(空気を室内に戻す)
安全管理の難度 中程度(排出口の位置・高さ管理が中心) 高い(フィルター飽和時のリスク管理が必須)
レイアウト柔軟性 低い(ダクトの位置に依存) 高い(移設・増設が容易)
法規制への対応 局所排気装置として標準的な法令適合が可能 有機溶剤等を扱う場合、特例実施許可の取得が必要な場合あり
適する用途 工場排気、大規模厨房、法令で排出口高さが規定される施設 テナント内作業、分析・検査室、小規模溶剤作業

まとめ:
ダクト式脱臭装置は
「確実な排気」と
「環境への配慮」を両立させる

ダクト式脱臭装置は、工場や大型店舗の臭気対策において中心的な役割を果たす設備です。

設置工事や空調への影響といった考慮すべき点はありますが、大風量・高濃度の臭気を確実に処理し、良好な作業環境と周辺環境を維持するうえで非常に頼もしいシステムです。

導入の際は、発生する臭気の性質や量、建物の構造、そして法令要件を総合的に判断し、適切な脱臭方式とダクト設計を組み合わせることが成功の鍵となります。

【導入場所・におい別】
脱臭装置おすすめ3

導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

調理・加工臭に悩む
食品工場なら
調理臭・油煙臭を
無臭物質へ変化させる
VFDシリーズ (日本デオドール)
日本デオドール公式HP
画像引用元:日本デオドール公式HP
(https://deodor.co.jp/vfd-ntm.htm)

設置場所

排気ダクト

対応できる臭い

調理油/魚類/肉類/揚げ物/煮炊き排気/生ゴミ/カビ/硫化水素/スチレン/硫化メチル

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
605×400×
1000~820×
570×1400(mm)
重量(kg)35~92

消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。

15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

溶剤臭・VOC対策に悩む
化学・薬品工場なら
揮発性・触媒毒を含む排ガスの
臭気漏れを防ぐ
触媒式脱臭装置 (TESSHA)
TESSHA公式HP
画像引用元:TESSHA公式HP
(http://www.tessha.com/equipment/catalyst/cu-7eh/)

設置場所

乾燥炉排気・反応槽ベントライン など

対応できる臭い

香料/樹脂/フェノール/キシレン/酢酸ブチル/コーティング機排気/酢酸エチル/シアン化水素/アンモニア/1,2,4-トリメチルベンゼン

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
-
重量(kg)-

VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える

装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える

堆肥舎・発酵施設のアンモニア臭に悩む
畜産農業なら
高濃度アンモニアを
低エネルギーで処理できる
ミライエ生物脱臭装置 (ミライエ)
ミライエ公式HP
画像引用元:ミライエ公式HP
(https://miraie-corp.com/product/deodorizer/)

設置場所

屋外または既存脱臭槽内

対応できる臭い

高濃度アンモニア/硫化水素/硫黄系臭気

寸法
(mm/幅・奥行・高さ)
6~12×9
(54~108㎡)
重量(kg)-

堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。

微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える

【導入場所・におい別】

脱臭装置おすすめ3選