住宅街に位置する給食センターにとって、大量の調理から発生する「油煙」と「複合臭」への対策は、地域共生における最優先課題です。
本記事では、近隣住民や児童への影響を懸念する現場が、悪臭問題を根本から解決した導入事例や、給食センター特有の臭気に特化した脱臭手法を詳しく解説。
施設の安定運営と、信頼される食の拠点づくりをサポートします。
| 設置場所 | 学校給食センター(排気設備) |
|---|---|
| 臭気対象 | 給食センターから排出される調理臭 (揚げ物、煮・炊き物) |
| 脱臭方法 | 中和脱臭 |
東海地方の小学校敷地内にある給食センターの導入事例です。調理場から漂うにおいが風に乗って校舎へ流れ込み、吐き気を催す児童が出るほど深刻な状況が生じていました。
調査の結果、排気口だけでなく給気ファンの不具合による臭気漏れも発覚。
設備全体の再整備を進めると同時に、校舎全域へ広がる調理臭を効率よく低減させる、確実性の高い脱臭対策が急務となっていました。
日本デオドールの中和脱臭装置「VFDシリーズ」を導入しました。大規模な排気風量に対応するため、消臭剤を効率よく供給できるファン付きの特別仕様を採用しています。
導入後の臭気測定では、臭気濃度を約84%除去(1,000から160へ低減)することに成功し、発生していた苦情はなくなりました。
タイマー運転によりランニングコストを抑制でき、故障のリスクを抑えたシンプルな構造で長く安定運用できる点も評価されています。

| 設置場所 | 学校給食共同調理場 |
|---|---|
| 臭気対象 | 給食調理に伴う調理臭 |
| 脱臭方法 | 光触媒脱臭(PCF® 光触媒脱臭装置) |
千葉県K市にある学校給食共同調理場の事例です。
給食調理時に発生する複合的な調理臭は、周辺環境への影響を考慮し、地域住民の生活環境に即した適切な排気対策が求められていました。
東洋エンジニアリングの「PCF® 光触媒脱臭装置」を導入しました。流体力学に基づいた設計による省スペース化と、光触媒の自己再生機能による長寿命化が特徴の製品です。
紫外線と光触媒の酸化分解作用により、臭気成分を二酸化炭素と水に無害化する仕組み。
排出地区の規制基準をクリアする排気品質を実現し、フィルター廃棄の手間を抑えた環境負荷の少ない運用を可能にしています。
| 設置場所 | 給食センター・学校給食調理室 (厨房排気系統) |
|---|---|
| 臭気対象 | 厨房・調理排気臭 |
| 脱臭方法 | セラミックフィルター脱臭 (ゼオガイア) |
給食センターや学校給食調理室における事例です。近年、住宅地に近接する施設では、悪臭防止法に基づく規制値の遵守が厳格に求められています。
しかし、給食センターでは調理内容ごとに排気系統が複数に分かれ、処理風量も多岐にわたります。
現場に適合する装置スペックの選定には、敷地境界線までの距離や原臭濃度を考慮した、専門的な設計指針が必要とされていました。
採用したのはカルモアのセラミックフィルター脱臭装置「ゼオガイア」です。
軽量かつコンパクトな設計により限られたスペースへの設置を可能にし、フィルター交換などのメンテナンスが容易な点も導入のポイントとなりました。
実測の結果、装置入口の臭気濃度3,200に対し、装置出口では160まで低減。脱臭効率95%を達成し、敷地境界線においても臭気指数10未満(下限値)を実現しました。
これにより、法令に基づいた確実な臭気管理を可能にしています。
炭表面の微細な穴で臭気を物理的に吸着する方法です。
調理臭のような「複合臭」の脱臭に適合しており、特定の臭気に合わせた添着炭を用いることで、より狙い通りの効果を得やすくなります。
ただし、給食センターの排気には油分が多く含まれるため、単体では目詰まりを起こしやすい側面があります。
前処理装置で「油煙」と「強い臭気」を低減させた後、仕上げとして残った微細なにおいを低減させる役割に適しています。
水や薬液のシャワーで排気を洗浄・中和する方法です。高温多湿な排気や、油分を含む排気への耐性が高く、臭気とともにダクト内の汚れを洗い落とす物理的な洗浄効果も期待できます。
大量の揚げ物や煮込み料理を行う給食センターにおいて、安定した排気品質を維持したい現場に選ばれています。
微生物の分解作用を利用して臭気成分を無害化する方法です。給食センターのグリストラップ(排水処理設備)や残渣保管庫から発生する、硫黄系の下水臭や腐敗臭に効果を発揮します。
調理場本体の排気よりも、汚水や生ゴミが滞留しやすく、腐敗臭が定常的に発生するバックヤードの環境改善に向いています。
フライヤーや回転釜を使用する調理現場では、排気に多量の油分(オイルミスト)が含まれます。
これを直接脱臭装置へ導入すると、短期間でフィルターが目詰まりを起こし、脱臭能力の低下や装置の故障、さらにはダクト火災のリスクを招く恐れがあるため注意が必要です。
あらかじめデミスターやセラミックフィルターなどで油分を物理的に捕集する前処理を行い、負荷を低減させた状態で脱臭装置へ導入することが、長期にわたる安定運用の鍵となります。
給食センターの悩みを解決する脱臭装置の選び方
重要なのは臭気に合った脱臭装置を選ぶことです。給食センターの調理工程や扱っている食品の種類によって、発生する臭気は変わってきます。
ただし、目に見えない臭気成分を正確に特定するのは難しいため、臭気の発生場所に合った脱臭装置を選ぶのがおすすめです。
当メディアでは、臭気成分がよく分からないという方でも選びやすいよう、導入場所別におすすめの脱臭装置を厳選しました。食品工場におすすめの脱臭装置も調査していますので、現場に合った製品選びの材料としてご活用ください。
回転釜で多量の野菜(キャベツや玉ねぎなど)を加熱する際に発生する、調理現場特有の甘く重たい煮込み臭です。
野菜由来の硫黄成分が加熱によってガス化したもので、湿気を含んだ排気として遠方まで漂いやすく、近隣住民からの指摘を招く主な要因となります。
連続フライヤーや回転釜で多量の油を高温で使用する際に発生します。油の酸化に伴って目や鼻に刺激を与える青白い煙(オイルミスト)として放出されるのが特徴。
放置すると建物への油分付着や、洗濯物へのニオイ移りといったトラブルに直結する恐れがあります。
焼き魚や煮魚などのメニュー時に発生する、生臭さを伴う特有の加熱臭です。数千食規模の魚を一斉に調理するため、一般的な厨房とは比較にならない濃度の臭気が発生します。
アルカリ性の性質を持つため、酸性の臭気(野菜臭など)とは異なるアプローチでの対策が求められます。
調理残渣や排水ピット、グリストラップなどで発生する臭気成分です。
有機物の滞留によって腐った卵や玉ねぎのような不快臭へと変化し、敷地境界線付近での悪臭防止法遵守に影響を及ぼす可能性があります。
バックヤードにおける衛生管理と脱臭の両立が不可欠です。
他にも、場所(施設)ごとに脱臭装置の導入事例、発生しやすい臭気の種類、効果的な脱臭方法などをまとめています。自社が管理している施設のジャンル(または類似ジャンル)の記事をご一読ください。
導入場所とにおいの特性に着目し、それぞれの課題に適したおすすめの脱臭装置を紹介します。「種類が多くて、何が違うのかわからない」そんな方こそ、自分の現場に適した脱臭装置選びにお役立てください。

設置場所
排気ダクト
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 605×400× 1000~820× 570×1400(mm) |
|---|---|
| 重量(kg) | 35~92 |
消臭成分が調理臭や油煙臭などと反応し、無臭物質へ変化させる。反応しきらない微量臭も、植物精油の香調により心地よい香りとなり効果を実感しやすい。
15種類の消臭剤が、水産加工から焼き菓子まで、食品の臭気に幅広く効果を発揮。植物由来の消臭成分で安全性が高く、厳しい安全・衛生管理基準もクリアする。

設置場所
乾燥炉排気・反応槽ベントライン など
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | - |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
VOCや悪臭成分を化学反応で無害・無臭に変換。微量のシリコンやリンを含む排ガスも前処理で対応可能で、触媒毒を含む化学・薬品工場でも使える。
装置内部の空気を外に逃げにくい状態に保つことで、ダクト接続部からの臭い漏れを防止。揮発性の強い化学物質を扱う場合でも周囲環境への影響を抑える。

設置場所
屋外または既存脱臭槽内
| 寸法 (mm/幅・奥行・高さ) | 6~12×9 (54~108㎡) |
|---|---|
| 重量(kg) | - |
堆肥化・発酵工程から発生する硫化系臭気や3,000ppmクラスの高濃度アンモニアへ対応。強臭環境においても、安定した脱臭性能を発揮する。
微生物の力で分解するため、燃焼系設備のような高エネルギー消費が不要。さらに低圧ブロワ採用で電力消費を抑制し、24時間連続運転でもコストを抑える。